質問「『日米特別行動委報告書の実現性』他

(平成8年12月17日参議院内閣委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 平成会の山崎でございます。日米特別行動委員会、SACOの最終報告に関する質問を中心に、これから少しいろいろ政府側のお考えをお聞きしたいと思っております。
  SACOに入る前に、最近起きた米軍機における爆弾投棄事故について一点だけお伺いしておきます。
  考えようによっては、これは我が国の領土領海内に危険物が放置された状況にある。そのときに自衛隊が自主的な判断でそれの撤去作業に入ることに法的な問題点があるのかないのかということを、これは通告していないので、自明のことでありましたら教えていただきたいということで御質問させていただきます。

○国務大臣(久間章生君) 法律上は、海上における危険物の除去というのは、防衛庁長官が命じました場合には自衛隊においてそれの除去を、あるいは処理をすることができることとなっておりますから、それは問題ないと思います。
○山崎力君 それでは、SACOの問題に移らせていただきます。
  全体的に見まして、この一年間の御努力に対して非常にその御苦労を多とするものでございますけれども、今後それが実際にその成果を上げていくことができるかどうかという、いわば各論部分に入ってまいりますと、その実現までのプロセスがどうもよく見えてこないという点において、この問題が将来実現までの間、随分問題を抱えているのではなかろうかという気持ちを持っております。
  まず、非常に簡単なところでございますが、県道一〇四号線越えの実弾発射訓練、これを本土に移転するということになっておりますけれども、それは現時点においてどの程度めどが立っているのか。具体的に言えば、いつから本土のどの基地で射撃訓練をするということが今の段階でめどが立っているのかどうか、お伺いしたいと思います。

○政府委員(諸冨増夫君) お答えします。
  今御質問の一〇四号線越え射撃訓練につきましては、今般のSACO最終報告におきましても一九九七年度に実施するということで、私ども、来年の四月以降を目途に、五つの演習場の関連の市町村、県及び道に対しまして何とか御理解をいただくように現在説得中でございますが、現段階におきましてはまだ受け入れについての協力表明をいただいているところはございません。
○山崎力君 ということは、もう来年度から始めなければいけない事業についてもまだめどが立っていないということでございます。もし来年度実施できなければ、沖縄県民側の立場とすれば、SACO全体の実現方に対する不信感のスタートになるといいますか、もうスタートからつまずくというようなことになろうかと思いますので、その辺がどうなってくるのかなということを懸念せざるを得ないわけでございます。
  その次に、土地の問題についてお伺いしたいと思います。
  約二一%、五千ヘクタールを返還する、その中の大きな象徴的な意味を持つのが普天間のヘリポートであろうと思っておりますけれども、具体的にこの五千ヘクタールをどういう形で五千ヘクタールまで持っていくのか、時間的な経過がどうなってくるのか。例えば今世紀中、二〇〇〇年末までにどの程度の土地が沖縄に返るのかというような試算といいますか、そういうめどは立っておるのでございましょうか。

○政府委員(諸冨増夫君) 今の御質問のSACOの最終報告におきます土地の返還につきましては、それぞれの十一事案につきまして私ども実現までのめどを示しておるところでございます。
  今御質問の二〇〇〇年末までの時点ということで限って申し上げますと、二〇〇〇年末まで、いわゆる平成十二年度末までの時点をめどに返還を今考えておりますのは、ギンバル訓練場、楚辺通信所、読谷補助飛行場及び瀬名波通信所の四施設、約三百六十五ヘクタールでございます。したがいまして、SACO最終報告で返還合意しております約五千ヘクタールのうち約七%に当たる面積が二〇〇〇年度末時点での返還の予定でございます。
  またこのほかに、安波訓練場の土地及び水域、これが現在共同使用されておりますが、この部分については二〇〇〇年末までに共同使用の解除が同時にされる、こういうことでございます。
○山崎力君 やはり今世紀中というのは一つのめどだろうと思うんですが、それが予定の七%、一割にも満たないということであれば、今回のSACOの決定というものは、将来的には結構なんですけれども、近い将来を見れば非常に不十分な内容であろうというふうに想定せざるを得ないわけでございます。
  そして、今回の場合一番目玉といいますか、皆様方も国民も関心事でありました普天間の問題でございますが、この飛行場の返還の行方がどういう形で、どのような格好で、ほとんど民間の土地だと思いますが、県民に返ってくるのかということがよく見えてこないんです。「五乃至七年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能」云々とこうなっているわけですけれども、その辺の普天間問題に関する今後のスケジュール的なことが、内部的にで結構でございますけれども、どの程度今の時点で予想されているのか教えていただきたいと思います。

○政府委員(秋山昌廣君) 普天間の返還につきましては、その代替施設として海上施設を設置するという方向で追求することになっているわけでございますが、これを実現いたしますために、技術専門家のチームにより支援される日米の作業班、普天間実施委員会、FIGというものを設置いたす予定にしておりまして、そしてこのFIGは、SCCいわゆる日米安全保障協議委員会でございますが、2プラス2に対し、海上施設の建設のための候補水域を可能な限り早期に勧告する、それと同時に遅くとも来年の平成九年十二月までにこの移転に係る詳細な実施計画を作成するという段取りになっております。
  それで、海上施設の建設のための候補水域を可能な限り早期に勧告するということでございますが、その前段階として、いわゆる調査をしてみないとわからないわけでございますので、調査するための候補水域につきまして、地元の御理解、沖縄県の御協力を得てなるべく早くそれを決めて、まず調査をしてみたい。その上で、海上施設の建設のための候補水域を可能な限り早期に勧告したいということを考えているわけでございます。
  来年十二月までに詳細な実施計画を作成いたすに当たりまして、構想の具体化、それから米軍の運用所要の明確化、さらに技術的な性能諸元、そういったもののほかに工法、これは今三つの工法が技術的に可能と言われているわけでございますけれども、工法、そして詳細な現地調査、環境分析、そういった最終的な構想の確定と、そして建設地の選定といったようなものをこの詳細な実施計画作成のプロセスでやってまいりたいと考えているわけでございます。
  なお、先ほどから先生の御質問に、いつ返ってくるかわからないというような御指摘がございましたが、私の理解するところでは、これまでの沖縄における米軍基地の返還につきまして、まず返還するということが決まってからその条件を満たすための作業に入る、そして返還する時期をそれから探るということでございましたが、今回の作業では、すべての案件につきまして可能な限り返還する時期的めどを明確にしたわけであります。それから、その返還に当たっての条件、多くは移設条件でございますけれども、それにつきましても普天間の問題だけちょっと残りましたが、その移転先につきましても極力明示したと。それも、一方的に政府がアメリカと話をして明示したというよりも、沖縄県との間にこの問題についてのタスクフォースというのをつくりまして県の参加もいただいて、事前に県を通じて市町村にもお話をしてきた、そういう過程で現在SACOの最終決定が出されたわけであります。
  もちろん、まだまだ地元の御理解、それからいろいろな御批判があることは我々十分認識しておりますけれども、何とか今回のSACOの決定を早くこのとおり実現できるように、我々としても最大限の努力をしたいというふうに考えているところでございます。
○山崎力君 その流れというものは私も承知しているところでございます。そのやり方についての問題指摘というものではございません。その流れに沿って実現できるかどうかということがやはり一番の問題でございます。
  その実現性について、ある程度担保的といいますか納得できる、ああこうやればこのくらいの期間でこうやって返ってくるんだなということが一般の国民の目にもわかるということが、これが逆に言えば事業をスムーズに進行させる一つの要素になろうと思うんですが、例えばその工法自体についても一つの確固たる実績というものがまだ証明されていない工法であるというような形、あれだけ巨大なものをつくるということが、果たしてその場所場所の地質とか環境とかそういったものを含めてクリアされているというふうには残念ながら言えない状況ではないかと私は思うわけでございます。
  もちろん、ほかはいいと思ってつくってみたら、とんでもない予想外の困難な条件が出てきたということもあり得るわけでございます。そういったことがないことを希望するわけですけれども、そういったことのめどが立っていない、そういうのを全部点検していない段階で来年の十二月までに果たしてそういった今後のめどが立つようなことまでの計画が完成するのかどうかということについては私自身非常に疑念を持っております。
  この時期までにこれをやって、この時期までにこれをやってということが出てきて初めて、ああこうやれば実現するんだなということが見えてくるわけですが、今の時点のお話によると、とにかく来年の十二月までにそういったものをやるんだ、努力するんだというだけで、皆様方の方が御承知のいろいろ予想される困難なことに対する解決のめどというものがどうしてもこの報告から買えてこない。
  その点についての御見解を伺いたいと思います。

○政府委員(秋山昌廣君) 海上施設の技術的可能性についての御質問もございました。また、今後の手順について再度御質問もございましたが、手順につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、むしろ本当にこの海上施設が技術的に建設可能なのかというそのポイントについてちょっと御説明させていただきたいと思います。
  実は、この海上施設の案が日米間で出てまいりましたのは九月以降でございましたので、これについての建設可能性、技術評価というものは確かに厳しいスケジュールのもとで我々実施せざるを得ませんでした。しかし、十月に入りまして、政府の中の技官を中心とする、しかも建設省、運輸省、通産省、防衛庁のいろんな組織のそういう専門家を集めた技術支援グループ、それから学者あるいは民間の専門家を集めました技術アドバイザリーグループというものを十月に立ち上げまして、十一月いっぱい両者合わせて都合十一回の技術評価の会議をいたしました。
  その間、二日程度のいろいろな推進母体からの技術可能性についての集中的なヒアリングも含めてやった結果、実は先ほど申し上げましたように、もう少しブレークダウンして申し上げますと、今回の検討作業を通じまして与えられた前提条件のもと、これはいろいろ厳しい自然条件の前提条件、あるいは施設の大きさについての条件を入れた、そういうもとで我々も現存の工法で海上施設を建設することは基本的に可能と結論を得たわけでございます。
  それは、水深五メーター、二十五メーターにおいてはくい式桟橋方式浮体工法及びポンツーン方式が可能、それから水深五十メーター、百メーターにおいて考えられる工法の中ではセミサブ方式が実現可能な工法と。全部で五つほどの工法を検討いたしましたが、そのうち三つが技術的に建設可能というふうに評価したわけでございます。
  ただ、いずれにいたしましても具体的な設置場所を想定しない段階での技術評価でございますから、その検討にももちろんおのずから限界があるわけでございますが、これら工法による海上施設建設の技術的可能性については、今後、具体的な設置場所の選定過程においてさらにその立地条件、具体的運用所要等に照らし合わせて詳細な検討が必要であることは言うまでもありません。
  しかし、我々としては、こういった作業を通じましてこの海上施設の建設可能性について技術評価をした上で、先ほど申し上げましたようなFIGの作業を今後展開して、来年いっぱいに詳細な実施計画をつくりたいと考えているところでございます。
○山崎力君 詳しい説明をありがとうございました。
  問題は、そういったところももちろんあるんですけれども、ちょっと文章の問題から御説明願いたいと思います。
  この報告の中で、「今後五乃至七年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する。」、こういうふうな表現になっております。その場合、「今後五乃至七年以内に、」というのが「代替施設が完成し」に係るのか「返還する。」に係るのか、その辺をちょっと教えていただきたいと思います。

○政府委員(秋山昌廣君) これはちょうどその直後の「3.準拠すべき方針」(a)というところと非常に関係するわけでございます。(a)には「普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力は今後も維持することとし、人員及び装備の移転、並びに施設の移設が完了するまでの間も、現行水準の即応性を保ちつつ活動を継続する。」と。したがいまして、今後五ないし七年以内に、代替施設を完成いたしまして、運用可能になった後移転をして、そして普天間飛行場を返還する、こういう趣旨でございまして、五ないし七年以内に施設を完成してそして移設して、五ないし七年以内に普天間飛行場を返還すると、こういう趣旨でございます。
○山崎力君 私の聞いたのはどちらかにということで、経過は結構でございます。簡潔にお答え願えればと思います。
  そうなってくる場合、施設が完成してから運用可能になるまで、これは軍事的に極めて重要なことでございますが、米側にどのぐらいの時間がかかるのか。要するに、すべての施設が完成した、移転すると、そこのメンテ、ハンドリングを米側が移ってきてやって、これで基地機能を今度の海上ヘリポート基地で我が海兵隊は従前どおりの作戦能力が可能であるというふうな、運用可能になるまでどの程度の期間を予想しておられますか。

○政府委員(秋山昌廣君) 今見ていただいている最終報告の資料の四ページに「5.今後の段取り」ということが書いてありますが、その(b)のところに該当する話かと思います。先ほどのFIGは、細かい説明は省略いたしますけれども、そういった問題も含めて「移転を含む段階及び日程を定めるものとする。」と。それは今後米側ともよく詰めて具体的な日程をつくってまいりたいと考えております。御指摘の点があるということは我々も意識しております。
○山崎力君 その詰めていくということはもちろん政治的にいかようにでもなるわけで、実際に運用可能でなくてもアメリカが運用可能になったと言えば返還になるわけですから、それはいいんですが、一年も二年も両方の基地を事実上使う、海上ヘリポートの運用、使用方式がまだ明確になっていない、そういった形でアメリカが言えば、これは完成したとしても普天間が返ってくるのが平気で一年、二年おくれる可能性があるということだと思うわけでございます。
  それを逆算しますと、五年といっても、もし仮にアメリカが移設等に一年間かかるとすれば、最短の場合で四年以内にヘリポートを完成させなければいけない、最長でも六年以内に完成しなければいけない。それで、来年の十二月までということになると、そこでもう一年カットされてしまう。それから、住民の説得あるいは工事期間といいますと、極めてタイトな期間が想定されるわけでございます。五年といってもあっという間に過ぎてしまう。普天間の飛行場の返還が実現して、地元の方にこれで基地の閉鎖式が行われるということが果たして七年以内にできるだろうかというのは、正直に疑問といいますか、できればいいなという希望的観測、まして五年ということになりますと極めて困難であろうというふうに私は認識しております。
  そういった意味で一番悪いのは、その都度その都度結果として一年延びました二年延びましたということになると極めてこれは問題です。しかし、なおかつ途中でわかっていながらできますできますと言ってできないということも大きな問題でございますので、その点での政府側のはっきりしたといいますか、しっかりした対応をお願いしたいと思うわけでございます。
  それから、細かい点でございますけれども、この地元という問題でちょっと御質問させていただきたいんです。
  移る先の地元、これは海上ということになります、もちろん領海内でございましょうけれども。そうすると、その地元の範囲というのはどの程度の今の認識なんでしょうか。例えば、もちろん陸上からポンツーンなりなんなりで物資輸送の道路等通路ができるわけですが、その接触地が地元なんでしょうか。それとも、海の場合には漁業権その他いろいろあるかと思うんですけれども、そういったものも絡んだ海区等のことも含んだ地元なんでございましょうか。その辺どうなっておりましょうか。

○政府委員(諸冨増夫君) 今、先生御指摘のように、いわゆる地先の市町村、それからその先の水域に関係しております、漁業権を持っております漁業組合、こういう方々が関係者になろうかと思います。
○山崎力君 それでは、ちょっと範囲を広げまして、これは確認でございますけれども、今回の一連のSACOの報告に盛られたいわゆるアメリカ側、米軍側との関係でございます。
  これは沖縄がもちろん米軍との関連でいけば最重要地点ということになっておりますが、本土内にも当然基地施設等はあるわけでございます。そういった点で、今回沖縄のこの問題を中心として決定されたといいますか共通認識を持ったことに関してはすべて本土の基地でもそれが実行に移される方向と、概念的なものですけれども、そのように考えてよろしいのでございましょうか。

○政府委員(折田正樹君) 地位協定の運用の改善、例えば昨年十月に刑事裁判手続を改善いたしまして起訴前にも被疑者の身柄の引き渡しができる道を開いたり、そのほかの措置をとってきているわけでございますが、考え方としては、基本的には沖縄だけではなくて本土を含めたすべての米軍それから基地に適用になっております。
  他方、騒音の取り決めのように特定の、例えば嘉手納飛行場の取り決めは嘉手納飛行場だけでございますが、考え方としては基本的には委員御指摘のとおりでございます。
○山崎力君 当然のことだと思いますが、やはりここで我々が改めて考えなければいけないことは、いわゆる沖縄における基地問題、この数、質の問題がございますけれども、本土にも米軍基地はあるわけでございます。そして、実際に作戦行動等を行っているわけでございますけれども、沖縄に見られるほど大きな問題にはなっていない。もちろんそれぞれの地域で大問題になっているところは承知しておりますけれども、全体として見れば、沖縄における基地問題としての問題意識というものは本土においては余りないうまくいっているというふうに評価してよろしいのだろうと思うんです。
  そこで、外務大臣並びに防衛庁長官にお伺いしたいのは、そこの差をもう一回再確認すべきではないかと思うんですが、いわゆる本土の米軍基地と沖縄の米軍基地問題、その辺の認識をこの際どのようにお考えなのかということをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(池田行彦君) 米軍基地の存在することにより地元の方々にいろいろな面で御負担をおかけしなくてはならない、それは沖縄に限らず全国の基地に共通する問題だと思います。そうした意味で、そういった基地の存在することによる影響を極力軽減していくという努力は全般的にしていかなきゃならないと思います。
  ただ、現在におきまして基地全体の七五%が沖縄に集中している。このSACOの最終報告が実施されましても七割程度が存在するということで、沖縄においてその問題が非常に大きいということは事実でございます。それは基地の存在することによる直接の影響だけではなくて、県民の生活全般あるいは地域社会全般のあり方に対する影響という面でも大きなものがあろうと思います。
  それから、例えば騒音の問題なんかについて申しますと、本土の一定の空港、基地につきましてはこれまでも協定がございましたけれども、嘉手納等についてはそういったものはなかったという、これまでの対策の仕方のレベルの差もございました。そういったことも勘案しながら、今回特に沖縄についていろいろ努力をしてまいった、こういうことでございます。
  将来の方向としては、先ほど冒頭に申し上げましたとおりでございます。
○国務大臣(久間章生君) 今、外務大臣も申されましたように、沖縄は特に本島に米軍基地が集中しておるといいますか、本島だけで言いますと二〇%のところを米軍基地が占めているという、非常に集中しているという、そういう問題が背景にあるんじゃないかというふうに思います。それともう一つは、沖縄以外の本土の方にあります米軍基地の場合はかなり国有地並びに公有地といいますか、つくられました過程において沖縄の場合は民公有地が結構残っておる、そういう違いが背景にあるんじゃないかというふうに認識しております。
  したがいまして、特に沖縄の問題については今度SACOで取り上げてやってきたわけでございますけれども、先ほどから話が出ていますように、これで終わりじゃないわけでございまして、まず第一歩だと。これまでとにかく七五%集中しておるのを今度解決しても七〇%だというのは私どもも十分認識しています。だから、これが第一歩だということで、まずは決まったわけでございますから、これに全力をかけてとにかく取り組んで、せっかく決まったことについてまずこれをなし遂げたいという気持ちに燃えておる、そういう点についてはぜひ御理解賜りたいと思います。
○山崎力君 今、防衛庁長官から御答弁いただいた点とも絡むんですが、今回、沖縄の民公有地が大量に返還されることが予想されるわけでございます。復帰後今までに返ってきたよりも多い面積のものが返ってくる。それが返ってきた場合、返ってきたら返ってきたで非常に問題が生じると。
  例えば土地の地主等をどう確定するのか。地形が変わったりなんかして、旧来の地籍図では判読不明のところも多々あったと思います。あるいは、その土地が例えば農耕地として使いたいと思っても不適切になっている。あるいは、せっかくのところを区画整理等で新たな産業基盤にしたいといった場合、今までのやり方、特に時間的な問題ですね、返還が決まってから実際にその土地がもとの地主に戻って、それを地主が経済生産の場として活用するまでの時間的なものはどうだったのかということをお伺いしたいと思います。

○政府委員(諸冨増夫君) ちょっと私は御質問の趣旨を取り違えているかと思いますが、米軍との間に合同委員会によって返還の合意がされます。それから私どもはその上にございますいろんな物件等を撤去いたしまして、地主さんの御要望に沿ってといいますか、いわゆる原状回復義務が私ども政府にございます。したがいまして、そういうものを全部やりました後、返還をするということになります。
  沖縄の場合には、特に沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律というのがございまして、私どもは返還後三年間は賃借料相当額を返還給付金として各地主さんに支給する、こういう仕組みになっておるところでございます。
○山崎力君 その辺の仕組みは大体承知しているところです。ですから、今までの返還地が例えば三年なら三年以内に原状回復をして地主さんのもとに返っていたんですかという、砕いて言えばそういう形の質問でございます。
○政府委員(諸冨増夫君) 以前に返還になったところで、先生御指摘のように、跡地利用計画が立たないまま私どもが返還したというような事例がございまして、沖縄県を初め地元の方からそういう御批判を受けておることはございます。
○山崎力君 ということは、まあ遠い先になりますけれども、例えば普天間の飛行場を全部コンクリートを壊して原状回復するのか、あるいはその土地のいろいろな使用計画をどういうふうに返還時期と合わせるのか、それが三年以内にできるのか、もし三年以上経過していたとすればその間の補償措置はどうするのか。しかも、復帰後ずっと長い間かかってきたのを、今回はこれからそれ以上の土地をばたばたとやらなきゃいかぬ。政府側がその具体的な行政事務をするのにおいて、しかも地元との利害が錯綜する個人間あるいは市町村間の調整も相当程度せにゃいかぬということになろうと思いますので、その辺の政府の姿勢、対応態勢というんでしょうか、そういったことが全然見えてこないということに一番大きな不安を私は感ずるわけでございます。
  その辺の基地対策、返還後を含めた基地返還への対策、県民の納得を得るという意味においては、その辺のところが地味な点ですけれども一番大切な点であろうと私は思います。その辺についての外務大臣、防衛庁長官の御所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) 今、委員御指摘のお話は、実を言いますと、私、防衛庁長官としてもそうですけれども、やはり一衆議院議員としても大変気にしていることでございます。といいますのは、防衛庁、政府として、もうここが基地でなくなったから、はい、返しますよという形で返した場合に、それでいいのかどうか。それを有効に利用するためには、県あるいは市町村といったところと後の利用計画をきちっとしておかないと、御承知のとおり、特にあの中にはたくさんの共有地が入っているわけでございます。今は一体として使われておりますけれども、こういう共有地のままに何百人のものが一定の面積のところにありますと、これを市町村なり県なりあるいは民間になったときに、民間では果たしてそれで全部利用手続がうまくできるかどうかという問題もあるわけでございます。
  したがいまして、返還のプロセスが具体的になってきましたならば、そういうのをむしろ地元の方においてどうするのか。そのまま地主に返せと言われればこちらの方は原状復帰して返すことになる、それが義務でございますけれども、それでいいのかどうかを、地元と一緒になってというよりも、むしろ地元の方で計画を煮詰めていただいて、その線に沿って政府が努力すべきところは努力しなければならない、これからそういう問題も出てくるんじゃないかという認識は十分持っております。
○国務大臣(池田行彦君) ただいま防衛庁長官から御答弁があったとおりでございますが、政府全体といたしまして沖縄の将来を考え、その振興策に万全を期していこうとしております。そういった中におきまして、跡地の有効利用、そしてその地域の方々の生活向上に資するようなプロジェクトを実施していくということも一つの今後の道であろうかと考える次第でございます。
○山崎力君 非常に微妙な個々具体的な対応が必要とされる問題でございますので、これはいろいろな考え方があろうかと思いますけれども、特に政府サイドとして三年間という補償期間措置をどう今回のSACOの返還に伴って位置づけるかということを慎重に御検討願って、その辺のところを国民の前に明らかにし、県民の前に明らかにする形で返還作業を進めていただきたいと存じます。
  若干早目でございますけれども、同僚議員に質問をかわることといたしまして、私の質問はこれまでとさせていただきます。
  どうもありがとうございました。

(後略)