質問「『年金と恩給の関係について』他

(平成9年3月17日参議院内閣委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 平成会の山崎でございます。
  恩給の問題の前に、今ほかの委員会でも出ておりますいわゆる従軍慰安婦のことについて政府側、内閣官房の方からお答えをいただきたいと思います。
  いろいろな意見があるんですが、私が一番気になっておりますのは、概念がはっきりしないままにそれぞれの思いといいますか取材といいますか、そういったものからの発言が非常にあってすれ違いがあるのじゃないかということで、私なりに整理してみたいといいますか、はっきりさせておきたいという観点から、まず従来のこの問題に対する政府見解というのはどのようなものが出ておるのか、お知らせ願いたいと思います。

○政府委員(平林博君) いわゆる従軍慰安婦問題につきましては、平成五年八月四日の当時の河野内閣官房長官の談話を初めといたしまして、それ以後も歴代政府はいろんな機会にこの問題についての発言ないし談話を発表しております。
○山崎力君 その具体的な中身といいますか、従軍慰安婦問題に今政府はこういう態度をとっておるんだということを、直近のものが今の政府の見解に一番近いと思うんですが、具体的にはどのようなものでございましょうか。
○政府委員(平林博君) 累次の国会答弁等で申し上げておりますが、正式な文書あるいは書き物になったものということであれば、昨年八月の総理大臣の慰安婦個人個人にあてた手紙がございます。そこでは、この問題につきまして日本国としての道義的責任を認めまして一定の措置をとる、特にアジア女性基金を通じて一定の措置をとるということを述べております。
○山崎力君 私が問題としたいのは、その大枠の流れというのは承知しておるんですが、この問題ではいわゆるというのがついているわけでございます。
  いろいろな施策をする、あるいは考え方を申し述べるといったときに、政府としていわゆるつきでない従軍慰安婦ということについてどのような定義をなさっていらっしゃるんでしょうか。

○政府委員(平林博君) 従軍慰安婦の定義でございますが、定義というものは正式になされたものはないというふうに了解しております。
  当時、日本政府が従軍慰安婦という言葉を使っていたことを示す公文書は今までのところ見つかっておりません。公文書の中には慰安婦という言葉を用いたり、まれでございますが特殊慰安婦という言葉を用いたりしたものは散見されましたが、従軍慰安婦という言葉を使ったものはございませんでした。他方、その後この問題が取り上げられて以降、現在では多くの人が従軍慰安婦という言葉を用いていることもございます。
  そこで、政府としては基本的には、この問題に言及する場合には、いわゆる従軍慰安婦と言うか、さもなければ単に慰安婦と言うか、どちらかにしております。基本的にはそういう態度でございますが、仮に御本人に向かって申し上げるときにはまた別途の言いようがあるというふうに考えております。
○山崎力君 今の御答弁でもはっきりしないわけですが、それではいわゆる従軍慰安婦の定義はどういうことになっているんですか。
○政府委員(平林博君) いわゆる従軍慰安婦についての定義というものはございませんが、当時、日本の官憲が直接、間接に関与した形もあれば、そうでない形もございますが、日本軍とともに各地を転戦して一定の軍の管理のもとに置かれていた女性たち、軍人の性の対象になった女性たちということで我々は理解しております。
  繰り返しますが、これがいわゆる従軍慰安婦ですというはつきりした一義的な定義というものはございません。ただ、先ほど申し上げました道義的責任を認め一定の措置をとるということで考えた場合には、その対象となる範囲というのはおのずと明らかだというふうに考えております。
○山崎力君 今の御答弁ですが、おのずと明らかということが明らかでないからこの論議の混乱が生じているのではないかと思うんです。
  例えば、今の御答弁の中に各地を転戦という言葉がありました。転戦という言葉が軍人以外に使われることが適当かどうかという問題は別にしまして、仮に一つのそういった対象のものとしても、一つの駐屯地近くの慰安所にいてそこから動かなかった人はいわゆる従軍慰安婦から省かれるということも言えるわけですね、今の御答弁から。余り適当ではないと思います。
  それから、軍人の性の対象になったということからいけば、内地のいわゆる師団近くの遊郭等におられた慰安婦というか、そういった方たちも含まれる。
  極めてこの問題の定義がはっきりしない以上、対象をどこまで広げるのか、どうなっているのか、調査をするのかというのが一番不明確なまま進んでいるところが私のこの問題に対する疑問点なんで、その辺のところをもう少しはっきりお答え願えればと思うんですが。

○政府委員(平林博君) 先ほど転戦と申し上げたのは、軍の転戦に応じて移動したというふうに訂正させていただきたいと思います。
  また、別に移動しなくてもずっとその地におられた方がおられれば、似たような状況下にあれば当然慰安婦の対象に含まれるということもそのとおりでございます。
  いずれにいたしましても、今政府が考えております施策の対象となるという意味での慰安婦につきましては、先ほど来申し上げましたように、これがいわゆる定義だ、確立的な規定だというものはございませんが、政府の調査の結果認められた河野内閣官房長官談話の中にあるような方々、そういう者を対象にしているということでございます。
○山崎力君 その辺のところがはっきりしないとこの問題はいつまでたってもすれ違いです。仮に裁判になっても、現実になっているわけですけれども、政府は被告側になっているわけでしょう。そういったところでの抗弁のしようもなかなか難しいということがあろうと思うんです。
  例えば、いわゆる慰安婦といいますか、その当時は合法化されていたそういったところで働く女性たちとこのいわゆる従軍慰安婦との差がどこにあるのかということが一番の問題だと思うんです。場所なのか、契約状況なのか、あるいは働いていた状況なのか、そういったものをきちっと詰めて、それでしかるべき問題があるとするならばしかるべきしっかりした対応をとる、そうでなければそれは当てはまらないというふうなことをはっきりさせませんと、この問題というのはいつまでたってもそれぞれの立場での主張が繰り返される。それに対して別の立場の人は違った立場で主張を繰り返してすれ違いに終わる、残るのはわだかまりだけ、こういったことではないかと思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。

○政府委員(平林博君) 確かに先生御指摘のように、この問題についてはいろいろな考え方、またいろいろなお立場がございまして、あいまいさが一条残ることは確かでございます。
  しかし、この問題は五十年前ないしそれ以前のものでございまして、しっかりした法的な根拠があったとも思われません。したがいまして、法的な責任をどこまで認めるかということについてもいろいろな御意見があるわけでございますが、日本政府としては、法律的な、国際法上の責任はいろいろな条約、協定等で果たしたという前提のもとで、これは当時の女性の尊厳や名誉を傷つけた重大な問題であるということで道義的な責任の範囲内で何ができるかということを考えたわけでございます。
  したがいまして、これをぴしっと境界線をつけてやることについてはなかなか難しい点がある、そういう難しいところを踏まえて道義的な責任論になっているということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
○山崎力君 この問題が今のままで終了するのであれば今の政府側からの御答弁でいいかもしれません。しかし、これが事あるたびにほかの国の政府あるいは国際機関から言われたときに、道義的だけ道義的だけで済むものなのかどうなのか。道義的なことの責任に対して賠償的なお金を払えというふうな圧力がかかったときに、それを拒否するだけの姿勢が今の政府にあるかどうか。逆に言えば、本当に責任があるような女性たちに対してその補償ができない、賠償できないということもこの事例から考えられると私は思うわけでございます。
  その点について、これで済めばいいけれども、次の時点でそういった悪い方に発展した場合、今の御答弁のままで政府は定義すらできない、していないことで対応ができるのかどうかという点を私は危惧しております。
  この点についてはそのくらいにいたしまして、この問題で最後にお伺いしたいのは、いわゆる国際法としての法律上あるいは条約上の責任はないんだ、ただ道義的なことだけあるんだということが今の政府の基本方針だとすれば、それを前提として現在巷間いろいろ論議を呼んでおります小中学生向けの教科書の記述についてどのような見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。

○政府委員(平林博君) お答え申し上げます。
  教科書の記述につきましては、これは今の政府のとっている立場とはまた別の配慮が加わって記述がなされているんだろうと思います。それは専門家の方々がいろいろ議論した結果だと思いますが、その一定の事実関係の上にさらに教育的な視点が加わっていくべきものというふうに考えます。
  先般の予算委員会で橋本総理は最後に次のように言われております。この慰安婦問題というのは女性の名誉と尊厳を傷つけるこの上ない問題であったという点でどなたも認識は同じだと思うと。その上で、自分なりに言えば、歴史の重みというものは背負っていくし、次の世代に伝えていくべき責任というものもあると。このように述べられた上で、教科書の問題につきましては総理は次のように言われております。問題は、例えば幾つのころにどの程度まで知ってもらえばよいのか、またその国の歴史として知っておいてもらわなければならないことはどうなのか、今そのような思いを持って政府側の答弁を聞いたと、こういうことを言われております。
  政府といたしましても、教科書の問題について言えばそういうことであろうかというふうに思います。
○山崎力君 橋本総理の思いというのはわかるんですが、政府として、省庁は違いますけれども、文部省が一応目を通した教科書において、この問題で政府は、今の一連の私の質問に対するお答えの中で出たように、我が国は法律的には国際法上の義務は果たしているんだ、ただ道義上の問題があってその責任の範囲内でこの問題をやらなきゃいかぬのだということが、中学生に教えることが適当かどうかということは別として、高校生クラスになったら当然その辺の話が出てこなければ、国の教科書に、国が認めたこと、国が歴史をこういうふうに自分たちの子供たちに教えるんだということが記述されていないとすれば、何が教育的配慮なのか、本当に歴史を教えていることになるのかということについて私は疑問に思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(平林博君) 現場の先生がどのように教科書に基づいて教えられるか、これは先生にもよろうかと思いますが、教科書に法律的な責任とか道義的な責任とかについてどこまで触れるかということはまたそれぞれの執筆者あるいはそれを検定する側のいろいろな作業の過程で決まってくるものと思います。
  これは文部省がお答えすべき問題だと思いますが、政府として特に今この従軍慰安婦問題でいろんなことをやっている現場の者としては、教科書にどこまで書かなければいけないかということについては言及をするべき立場にないというふうに御了解いただきたいと思います。
○山崎力君 時間の関係でこの辺にさせていただきますが、この問題は政府として本当に取り上げるのならばきちっとやるべきだし、今のままのような形で対応をとり、しかも公式に歴史として国民に対して、次の世代に対して教えるべきなのが、そういうふうな言及するべき立場にないという形であるならば、これは将来に禍根を残すことになるのではないかというふうな危惧を持っているということだけ申し上げて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
  恩給法のことでございますが、今回の九年度の改善の基本的な考え方、恩給ベア率の算定根拠あるいは公務員給与、物価等を考えてなさっておるというふうなことを提案理由説明の中で申されております。その辺の大きな流れの部分をちょっと御説明願いたいと思います。

○政府委員(桑原博君) 平成九年度の恩給の改善につきましては、恩給が国家補償的性格を有するものであること等の特殊性を考慮しつつ、公務員給与の改定、物価の動向等の諸般の事情を総合勘案の上、恩給年額の実質価値の維持を図るために本年四月から〇・八五%のベースアップを行うことといたしております。
  具体的な改定率の算定につきましては、公務員給与の改定は行政職俸給表(一)の平均の改定率を用いております。それから、消費者物価の動向は予算編成時の見込み値を用いまして、総合勘案したものでございます。
  それ以外の点につきましては、従来、法律上は恩給法の第二条ノ二、「国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他諸事情」を文字どおり総合的に勘案の上ということでございますけれども、必ずしもこういうものについて確立された方法があるわけではございません。ただ、恩給の改善が時々で大きなぶれがあるということは受給者に不安を与えることにもなりますので、現在までのところ、公務員給与の改定、消費者物価の動向を勘案して決めていっているところでございます。
○山崎力君 今まで長い歴史のあることですから、その辺のところをこの問題についてきのうきょうかじった私がいろいろ質問させていただくのはおこがましい点もあるわけでございますけれども、逆に新鮮な目で見ますといかがかなというところがございますので、その辺の御説明を願いたいと思います。
  一つは、確かに戦地に行かれた方たち、旧軍人を中心とした方々への恩給というものの意義はわかるんですけれども、今日的には私は年金との絡みというものが非常に大きなものになってきているのではないかと思うわけです。同じような年配の方で、片方は年金だけ、片方は恩給をもらえる。恩給欠格者の問題もそこに絡んでくるわけでございますけれども、年金動向との絡み、具体的に言えば公的年金に関してはこのところ引き上げられておりませんが、恩給は引き上げられている。もちろん公務員給与が引き上げられているわけですからそれはそうとして、引き上げるのはけしからぬというわけではないんですが、その辺のところのいわゆる年金と恩給との関係をどのようにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。

○政府委員(桑原博君) 恩給制度は国家補償的性格を有する制度というふうに申し上げておりますけれども、相互扶助の精神に基づき保険数理の原則によって運営される公的年金とは基本的な性格を異にしているというふうに考えております。
  恩給では年金財政再計算による給付水準の引き上げ等は行っていないわけでございまして、恩給の改善につきましては、毎年度恩給受給者の処遇をどうするかという観点に立ちまして、先ほど申し上げた公務員給与の改定率や消費者物価の動向等を総合的に勘案した上で決定しているところでございます。
○山崎力君 先ほどの海老原先生のお話の中にもございましたけれども、短期在職者の場合、要するに今度一号俸引き上げるということで、この理由がいろいろ言われております。今回それを一号俸上げることによって対象者はどのくらいで、予算的にはどのくらいその部分で引き上げられるんでしょうか。
○政府委員(桑原博君) 平成九年度予算において短期在職の旧軍人等に係る仮定俸給を一号俸引き上げるということでございまして、その対象となる者は四万九千人というふうに見込んでおります。所要額といたしましては九億九千六百万円を計上しているところでございます。
○山崎力君 文章上からいくと非常にいろいろ問題もあるような趣旨説明でございます。
  例えば高齢者になってということになれば、対象者はほとんど高齢者であるというようなこともございますが、私がこの制度の中で今一番ちょっとひっかかっておるといいますか、異常だなと思っている点がございます。それは最低保障制度なんです。
  それが悪いというわけではないんですが、適用率が九割を超えているというふうに聞いております。これは制度としては極めて異常でございます。まともな計算でもらっている人が一割しかいない。あとの九割は最低保障だと。こんな制度というのは私自身ほかに余り例を知らないんですが、その辺のところはどうなっておるか、ちょっと御説明願いたいと思います。

○政府委員(桑原博君) 普通恩給及び普通扶助料についての最低保障制度は昭和四十一年に創設されました。この制度は、厚生年金等の公的年金制度の例を参考に、長期にわたり実際に相当年限勤務したにもかかわらず極めて低額の恩給にしかならない受給者を救済するという社会保障的観点に立って設けられたものでございます。
  御案内のとおり、恩給の受給者は旧軍人、普通恩給受給者等は恩給の年額の基礎となる仮定俸給の低い兵、下士官が中心でございました。また、その大半は職業軍人ではない在職期間の比較的短い者でありますからそういった適用率になっていることを御理解いただきたいというふうに思います。
○山崎力君 御理解いただきたいと言われても、今の説明ではなかなか理解できないわけで、これは端的に言えば二つしかないんです。一つは基礎ベースが低過ぎるか、もう一つはもうこんなスズメの涙のものだったらどうしようもないから最低限のものを求めよといって計算したら九割の人がそうなっちゃった、このどちらかだと思うんです。それを、諸般の事情があったんでしょう、今まで続けてきたということがこのようないびつな方法になっていると思うんです。
  考えてみてください。九割の人が同じようになっているわけですよ。期間によって下がってきているということであれば、ここまで勤めて正式にもらえる人の額と、ほとんど違うようなところの人の額とがなだらか線になるはずが、横棒になっている。逆に言えば、この人が自分が働いて当然もらえる恩給と同じ額をそこまで行かない大勢の人がもらっているということになります。これはどう考えても制度的におかしいと思うんですが、行政の立場からいろいろあったんでしょう。
  長官、政治家としてそのような制度をいかにお考えか、お聞かせ願いたいと思うんです。

○国務大臣(武藤嘉文君) 私も恩給問題を長いことやってきましたので、その経緯を申し上げますと、正直、戦争に関係したグループというのは、一つは御遺族、一つは戦傷病者、一つは軍恩となっております。
  最初、恩給制度はまだこんなに金額も大きくなっていなかったわけでございまして、そのときに恩給の重点をどこへ置いていくか。やっぱり御遺族が一番まず大切ではないか。それからその次に、戦争で傷つき、病に倒れられた方々ではないか。そして、軍恩の皆さんは、いずれにしても国のために戦って大変御苦労いただいたのでございますけれども、しかし元気でお帰りいただいたという点においては少しその辺のハンディをひとつ考えていただけないだろうかということで、それこそ私が出てきたころでございますからもう三十年ぐらい前でございますけれども、そのころそういう形で、どちらかというと遺族、傷痍、軍恩という形で恩給にある程度差をつけてやってきたという事実はございます。
  しかし、その中で長期の方々、いわゆる大変長く戦地におられた方々、あるいは非常に厳しい戦地におられた方は加算をしたわけですが、そういうような方々についてはやっぱりある程度お出しをしなきゃいけないんじゃないかということで、結果的に短期在職者の方というのが非常にハンディを背負ってきたというのが、少なくとも私がタッチさせていただいて三十年になりますけれども、恩給の実際のあり方であったと思います。
  そういう中にあって、今お話しのように、短期在職者の方々も結果的に高齢になられた。三十年前は、例えば今七十の方はそのころ四十でございますから元気で、おれたちは辛抱するよ、それよりもおれたちの戦友で亡くなった家族のことをやってやってくれよ、おれたちと一緒に戦った中で傷ついた連中が今苦しんでいるからこれをやってやってくれよというのが私は当時の軍恩団体の皆さんの率直な御意見であったと承知をいたしております。
  こんなことがありましたのですけれども、今お話しのように、そのころからだんだん年がたってきたから、少し短期の方も考えてくれよという話題も出てまいりまして、やりますよやりますよと言いながら、実際なかなかそちらまで手が回らなかった。それがここへ参りますと本当に七十近くにもなってこられますし、これはやっぱり何か最低保障でひとつ考えなきゃいけないんじゃないかと。
  だから、先ほど申し上げましたように、恩給の性格と違ったものが実際この最低保障というもので恩給制度の中に入ってきた。今、年金の方との比較を恩給局長も言いましたが、年金との関係である程度そういう制度を入れて、それでひとつ救済をさせていただこう、こういう考え方が後から入ってきたものですから、だからその辺はごらんいただくと非常に長期の方と短期の方とが違っていて、短期の方は最低保障で救われているというような形に現実になっているというのはそういういきさつから来ているというふうに申し上げると、ひょっとしたら少しは御理解いただけるんじゃないかと私は思うんです。
○山崎力君 今の問題確かに流れといいますか経過は理解できるんですが、制度として見た場合、非常にいびつな形になっているということは事実だと思うんです。その流れを御承知になればなるほどわかると思うんですが、それこそ最初に申し上げましたように、国家補償制度的なものがあって年金制度とはちょっと性格が異なるという御答弁がありましたが、また後の答弁では年金を参考にするんだというような御答弁もございました。
  そういった意味からいけば、この際の改革はそれこそ聖域なしの改革でございますから、いろいろな制度の中で年金もあればこの恩給もあれば、具体的に最後にそういった方たちが、ほかの行かなかったお年寄りと同様の中である程度のプラスアルファは御苦労なさった分は当然として、そういった意味でどういうふうにやっていったらいいか。
  そろそろもう最後の、この恩給制度からいけば老齢化を迎えた締めくくりになると思いますので、その辺のところを再検討してこれからの制度をよくしていっていただきたいという希望を申し上げて、最後に一言、大臣の決意をお聞かせ願って、質問を終わらせていただきます。

○国務大臣(武藤嘉文君) これはたまたま先ほど海老原さんからお話のあった問題と大変関連してくるわけでございます。特に軍人恩給の制度を根本的に何か考えなきゃいけないということは私もある程度理解をしております。
  ただ、問題は、こちらの方の方は案外まだ対象者が多いものでございますから、これを根本的にやり直しますと大変な財政的な問題も出てくるものでございますから、正直その辺に苦慮しているというのが現状である、こう御理解いただければ幸いでございます。
(後略)