質問「『地球温暖化対策について』他

(平成10年3月11日参議院国土・環境委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 改革クラブの山崎と申します。環境関係に関しては私はこの委員会は初めての登壇で、非常に不勉強でございまして初歩的な問題もあろうかと思いますが、お許し願いたいと思います。
  それから、いろんな事情がございまして、質問を終わった午後の委員会は、私自身別の調査会の方が先に決まっておりまして、欠席させていただいて、質問しただけで消えちゃうと、こういうことになりますことをお許し願いたいと思います。
  それではまず、今ずっとダイオキシンと関係した問題が先にやられた同僚議員から出されておりまして、同じことを聞くのもなにですので、若干観点を変えた形で、順番も多少変わってくるかもしれませんが、その辺のところで質問をさせていただきたいと思います。
  いずれにしましても、大臣の所信表明に出されておりました環境保全型社会の構築に向けた取り組みを進めると、こういった形でございまして、要するに我々が生活する中で、近代社会、近代工業その他の関係から自然界にはなかなか存在しないようなものをどんどん出してきて、それがいろいろ悪影響を我々に及ぼすのではないかということがあると思います。
  そういった中でもう一点言わせていただければ、今の置かれた環境庁の立場、これは近い将来環境省になる。なぜ環境省になるかといえば、環境問題が国民生活においてこれまで以上に非常に重要なものであると同時に、今までどちらかといえば厚生行政の中において行われた廃棄物の処理の問題、これをあわせてやるんだと、こういうことで新たな任務が加わるということで省になると、こういうふうに私は理解しておるわけです。
  そういった中でまさに今出てきたダイオキシンを初めとする問題が出てくるわけですが、それと同時に今までの置かれた環境庁の立場というのはどちらかといえば調整官庁であった、あるいは調査研究官庁であったというものから脱皮して廃棄物行政をつかさどる、その面に関しては実施官庁になると、そういうふうな性格の変化をここ数年の間にやっていただかなければならない。もちろんそこのところには厚生省との絡みでの調整というものは必要になると思いますが、あくまでもやはりここのところは名前の残る環境庁の方が主体的にその方向にどう持っていくかということがこれから省庁間の関係において必要になってくると思うんですけれども、その辺の大づかみの道筋について大臣はどうお考えか、まずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(大木浩君) ただいま委員からお話がございましたように、環境庁を環境省にしよう、改革しようというのは、まさにおっしゃいましたように環境行政というものをもっと一元的にして、しかも実質的に、単なる調査研究というようなところでなくて、みずから行動を起こせるというところをきちっと整備しろということが今回の改革の趣旨だと思っております。
  今もお話がございましたけれども、今までは何か一部的に、例えば廃棄物の問題につきましても、最終で廃棄物が出てきた、そこのところだけをとらえて、しかもそれについて何か基準を作るというところでとどまっておりましたけれども、やはりそうではなくて大量生産、大量消費、そして最終的にそれが今度は大量廃棄というところにつながる。その全体のサイクルをきちっと総合的に見る必要があるんじゃないかということでございますから、そういった立場でこれからの環境行政を進めるということでございまして、庁から省への昇格ということもそういったことを心に置きながらひとつ進めてまいりたいと思っております。
○山崎力君 そういう立場でこれからの行政のいわゆる基本にしていかれるということですので、具体的なものから入っていった方がわかりやすいところがありますので、これは一たん離れまして、豊島の問題に関しましてちょっとお伺いしながらと思っています。
  この問題は、公害等調整委員会の方に、具体的な事例についてどういう調整が行われているかということをお伺いしてやっていきたいと思うんです。
  まず、あの問題というのはまさに産業廃棄物、産業廃棄物か廃棄物がはともかくとして、一応産業廃棄物と目されるものが、今となっては不法投棄という形でよろしいかと思いますけれども行われて、地元住民を初め環境に非常に破壊をもたらしている。ところが、その廃棄物業者が破産してしまって処理ができない。そこのところでいろいろ訴訟等が行われているわけですが、この問題の調停の状況はどうなっているかというのをまずお伺いしたいと思います。

○政府委員(下野省三君) 本件につきましては、現在係属中の事件でございますので、詳細については控えさせていただきたいと存じますけれども、概要について申し上げたいと思います。
  本件は、先生御承知のように廃棄物処理業者を相手にするばかりではなくて、ほかに香川県及び廃棄物を排出しました事業者二十一社、排出事業者と言っておりますが、それらの方が相手方になっておる事件でございます。
  廃棄物処理業者につきましては、平成九年三月、岡山地裁から破産宣告を受けておりますことは先生御指摘のとおりでございますけれども、同年七月には申請人と香川県との間で処分地に存する廃棄物、汚染土壌を無害化処理することなどを内容とする中間合意が成立いたしたところでございまして、現在その具体的な処理方法について検討しておるところでございます。
  また、先ほど申しました相手方でございます二十一社の排出事業者との間では、対策に要する費用につきまして応分の負担を求めることといたしておりまして、これまでに九社との間で調停が成立しておるわけでございます。
  公害等調整委員会といたしましては、今後とも本件の適切な解決に向けて努力をしてまいりたいと、こう考えておるわけでございます。
○山崎力君 今そういった意味でいわゆる自治体としての行政と、産出というとおかしいんですが、出したもとの生産者も入っておるということですが、これはどうしてそこが入ったのかというところなんです。
  法律的に考えると、これは不法行為をしたのはまさに産廃業者であって、行政とそれから出したものが調停の当事者になるということは、そこのところだけ見るとおかしいというか、変に感じる部分があるわけですが、ある意味で産廃業者がしっかりしたものであって、その負担にたえるものであれば、行政あるいはその産出事業者というものは当然必要なくなるというふうにも考えられるわけですけれども、そこのところはどういうことで当事者になったんでしょうか。

○政府委員(下野省三君) 直接お答えになるかどうかわかりませんけれども、もともと公害等調整委員会が行っております調停というのは、公害に係る被害に関する民事上の紛争について、当事者間の互譲に基づく紛争の解決を図るために積極的な調整活動を行うものでございます。
  したがいまして、行政機関の監督責任そのものを、この調停の過程で存否を裁断していくというものではないわけでございまして、現実の調停の場では当事者がさまざまな主張をされるわけでございますけれども、そういった当事者双方の主張を踏まえまして、当事者間の利害を公正中立な当委員会の立場から調整いたしまして、適切な解決が図れるように作業を行っておるということでございます。
○山崎力君 質問の趣旨が通らなかったのかしりませんけれども、私が聞きたかったのは、何で当事者に行政や事業者、事業者というのは産廃を出した事業者がなったのか、そこの根拠は何かということをお伺いしているのであります。
○政府委員(下野省三君) 申請人のお考えによりますれば、香川県が適切な指導監督を怠ったのではないかというようなことで、当事者として、被申請人として名前を挙げられておるのではないかというふうに思います。
○山崎力君 産出した事業者についてはどうなんですか。
○政府委員(下野省三君) 排出した事業者は、もともとの産業廃棄物を排出した原因者でございますし、その廃棄物を廃棄物処理業者に委託したときにいろいろな問題があったのではないかということで当事者としてこの調停の中に入ってきておるのではないかというふうに思っております。
○山崎力君 ということは、やはり行政上の監督責任、あるいは道義的な責任と言うとちょっとおかしいんですが、やっぱり排出する事業者もその産廃業者を選定するということにおいての瑕疵があったんではないかというのが住民側からの調停に対する相手方の当事者要件の主張だろうというふうに思っておるわけです。
  そういった意味からいきますと、国も含めた主に地方公共団体がその廃棄物の処理に関しましてどういう立場をとるのか。いわゆる産廃業者と同じような立場に立つのか、あるいは各地で行われている自治体を中心とした組合的なもの、そういったものが公害被害といいますか産業廃棄物に伴う被害を出したということで住民サイドから公害調停の申し出が出たときに、当然民事上といえども当事者要件になると思うんですが、そのときいわゆる地方公共団体、国も含めて結構ですが、それと一般の民間の廃棄物業者と当事者要件に違いが出てくるんでしょうか、公害調停において。

○政府委員(下野省三君) 公害等調整委員会の行います調停というのは、今先生がおっしゃられましたように民事上の紛争についてでございまして、調停申請が出されました場合に私どもはその被害の発生について、あるいは被害の発生のおそれについて、相手方が原因者となっているのかどうかということについて検討をするわけでございまして、その過程で今お示しのような地方公共団体あるいは国というものがやはり関与があるということであれば、調停の手続の中でいろいろな話し合いを行っていくということになるわけでございます。
○山崎力君 僕の質問の仕方が悪いのでしょうか。そこのところは当然のことなんですが、要するに一般の民間の廃棄物業者とそれから地方公共団体というような形の団体と、当事者要件として民事なら民事の被告、原告の、裁判で言えばそういう形ですが、原告の要件が違った扱いをしてい
るのか全く同じ扱いなのかというそういう感じの質問なんですが。

○政府委員(下野省三君) 調停の手続の中では裁判のような考え方ではない、その実態に即して解決をしていくということではないかと思います。
○山崎力君 実態に即するというのは、要するに相手が国であったりあるいは自治体だったり自治体の事務組合だったりという場合と産廃業者とでは、その実態が違うから対応が違ってきて当然であるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府委員(下野省三君) 私どものやっております調停というのは、御承知のように個別ケース、そのケースごとに判断しておるわけでございまして、一概に申し上げられるわけじゃないんですけれども、当然のことながら私人間の争いということでございますから、国であろうと地方自治体であろうと民間の産廃処理業者であろうと法律的には同じように扱うということでございます。
○山崎力君 ようやっとそういうふうな形のお答えが出てきたと思うんですが、ちょっと別の角度からですが、調停の結果明らかに原因者に大きな問題がある、しかもその公害が現実続いているといった場合に調停の形でその事業の差しとめを勧告するとか、あるいはそれに類する行為を公害等調整委員会はできるものなんでしょうか。
○政府委員(下野省三君) 公害紛争処理法の第三十二条の二というのがございまして、調停が成立いたしました場合に、その内容たる事項を実現することが実質的に見て不可能あるいは著しく困難な状態に陥っていることがないよう、調停の内容たる事項の実現を不能にし、または著しく困難にする行為の制限を勧告することができるという規定はございます。
○山崎力君 今お聞きのとおりのことでございまして、こういった問題というのは裁判になじむかどうかという問題もございます。現実に裁判になっている問題もございます。あるいは公害調停の場に置かれているものもあるし、同時並行で行われているような部分もないわけではないということなんです。
  私がここのところで大きな意味で質問申し上げたいのは、との廃棄物の問題というのは、産業廃棄物の場合もそうなんですが、業者いわゆる産廃業者とそれから同時に自治体が極めて密接に絡んでいる、こういう実態があろうかと思います。
  このことに関して地方分権である、あるいは地方の自主性を重んじる、こういったことの論でいきますと、うちの地域はこうこうだから、こういう事情にあるから物すごく規制値を厳しくする、あるいは逆にうちの市町村はこういう業界があってそういうところから出る廃棄物は非常に管理が難しい、よってこれを甘くするというようなことが、本来地方分権であればそこのところで処理すもならば考え方としては可能だと思うんですが、これは地球全体の環境問題なんということを言う時代に非常にそぐわない問題であろうと思うわけです。
  そうすると、何がそこで出てくるかと言えば、やはり広域的国の基準と行政の指導というものが極めて重要になってくる。しかも、この問題に関して自治体が誠実な対応をこれまでとってきたかというと極めて疑わしい事例が多々出てくる。つい昨今の問題でも、長崎市におけるデータ隠しの問題が今市議会で取り上げるなど話題になっている。そういう点から見ますと、このダイオキシンという具体例を含めて国側の取り組みというものはかなり強制的なものにならざるを得ないんではないか。指導という生易しいものではないんではないか。
  これは翻って言いますと、これからの産業構造の中に廃棄物処理に対するコストの感覚というものが極めて重要になってくる。廃棄物をほったらかしてやった製品とそうでない製品とではコスト計算が全く違ってくる。正常な競争関係をやるためにも、これは通産行政の中に入ってくるかもしれませんけれども、通産省の立場ということはどちらかと言えば競争力のある製品をつくりたいという立場の役所であるということを考えれば、それをチェックするのは明らかに現在の厚生省と環境庁の仕事であり、将来の環境省の仕事であると思うんですが、大臣、その辺についての決意といいますか、これからの予算要求を含めた、法体系の整備を含めた計画、省に向かっての将来目標というものをお聞かせ願えればと思います。

○国務大臣(大木浩君) いろんな面からの今御質問であったと思いますが、一つは地方分権と今のごみの処理をどうするかということですが、実はまさしくそこのところが私も先ほど冒頭にほかの委員の御質問に答えたところで申し上げたんですけれども、環境行政というものがまだ十分に整っていないということであります。しかも、規制は非常にきちっとした規制でなければいけないんじゃないかというのも、まさにそこもそういう認識を私は持っております。
  やはりいろいろと規制緩和の時代ではありますけれども、よく言われるのは経済的な規制と社会的な規制は性質が違うんじゃないかということで、経済的な規制はともかくとして社会的な規制は物によってはもちろん強化しなきゃいかぬ、しかもそれは中央政府が責任を持ってきちっとした基準をつくらなきゃいかぬということは全くそのとおりだと思います。
  いろいろと具体的な事例を私も見たり聞いたりしておりますと、まさしく今まではそこのところが、産業界もあるいは地方自治体もこれからの経済活動の中で環境に対する投資といいますか、環境というものを経済活動あるいは生産活動の中に入れて、初めからコストの一部に入れて考えないとなかなか全体として対策ができないんじゃないかということを考えております。
  これは、例えば家電のリサイクルの話についての法案が、これは別の話ですけれどもいろいろ議論されておりますが、この中でもどういうふうにそのコストを負担するかというのはいきな力はなかなか、今おっしゃいました通産省あたりは、日本のメーカーさんみんなコストが高くなってはなかなかうまくいかないんじゃないかということがありますから、もちろん国内での競争もありますし国際的な競争もありますから、その辺はひとつよく考えながら決めなきゃいけません。
  いずれにいたしましても、ごみの処理あるいは環境一般につきましては、やはりほかの問題とは別に規制というものを国が責任を持って相当きついものを、しかもきちっと全国的なものをつくらないといけないという場面が相当多くなるんじゃないかというふうに理解しております。
○山崎力君 その流れでダイオキシンの問題で言えば、もう一つ豊島の問題を絡めて言えば、今までなされた廃棄物の後処理がいわゆる業者でも、先ほどの豊島の場合は破産したと言っていましたし、地方自治体であっても、例えば前やったところから有害物質が漏出する、あるいは焼却場からダイオキシンが出ている。それで、焼却場から出ているというのはこれは焼却場を直せばいいんですが、そこからばらまかれたものが周辺の土壌を汚染しておる。こういったものを回復する場合、これは財政的に無理だということがもう今から言われて、豊島の場合は一般業者はつぶれているわけですから、それをどうするかという行政上の責任で今やっている。
  そうすると、これは国側としても、原状回復といいますかもとの状態に戻す費用というものは今から頭の中に入れておかにゃいかぬのじゃないか。これをどこに負担させるんだ、やはり国しかないんじゃないかと。もちろん当該地方自治体あるいは業者に対しても直接的な負担をしてもらうのは当然ですけれども、それでは実質上不可能ではないかということが言われているわけです。
  これは、もうこのダイオキシンに限らずずっと言われている問題で、これは足尾の鉱毒問題も含めての長い公害の歴史の原点の問題なんですけれども、今の時代になってくるとますますそれが広く薄く、足してみるととんでもない量になってしまって国民の健康、生活を損なう。そうなってくると、やはりここのところで国側がどういう対応をとるのかという厳しい規制と同時に、それに対する回復の手段の道筋をそろそろ打ち出す時期ではなかろうかと思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(大木浩君) これも非常に一般的な話でございまして、要するに地方分権というのは同時に責任、負担の分担ということも出てくるわけでございますから、どこまで責任を国が負うかということになりますと、物によって違う、こう言わざるを得ないんです。やはり国が一つの基準を設ける、それをきちっと例えば都道府県も守っていただく、あるいは物によっては市町村も守っていただく。それを守らないときの責任というのは、これはやっぱり守らない方の責任ということもある程度考えていただかなきゃいかぬというようなところがとりあえずの私の御答弁になるかと思いますけれども、そういった問題があちこちで出ておるということは非常に私も痛感しております。
  特に、市町村あたりになりますと、市町村の財政能力といいますか、あるいは問題についての処理能力といいますか、それがなかなか実力が違うものですからばらばらな答えが出ております。これは、やっぱり全国的な問題としてどういうふうにするかということはこれから考えていかなければならない問題だというふうに感じております。
○山崎力君 これから考えていく問題というよりも、関係者はもう最初からわかっていた問題だろうと私は思っております。
  ただ、責任者といいますか原因者といいますか、そういった者が一義的にやるよという法体系になっていて、それが先ほどの豊島の問題で言えば、産廃業者があらん限りの悪いことをしてそれで倒産したら後はどうなるの、倒産したときの周辺の住民はどうしてくれるのと。あるいは市町村がつくった施設、ここのところである意味で昔風に言うと公害を垂れ流す結果が出ていた、周りの土壌その他水質が汚染されているままになっている。ところが、市の方は財政的にできません、やるんなら財政再建団体になりますよと。そういったときに、今の状態ではそのまま放置されるという法体系に私はなっていると思うんです。
  そこのところを正すために動くのは、今時点はともかくとして、将来は私は環境省しかないだろう。それがこれからということになりますと、実態はもう現実にあるわけですから、直ちにそこのところに取りかかるというくらいの姿勢をとっていただかないと、この問題は国民にとっては解決しない問題だろうというふうに私は思っております。この問題に関しては御答弁は結構でございます。
  それでもう一つ、各省庁の絡みの問題で言えば、所信表明の中に緑のダイヤモンド計画というものがございます。これは、「自然公園内の荒廃した山地地域を対象として、自然環境の保全や公園利用施設の整備を行います。」と、これだけ書いてあるわけですが、「荒廃した山地地域を対象として、」、こういうふうになっておりますと、これだけ読むと、台風か何かでいろんな施設が流されて、それを原状回復するんだというふうに受け取れるような感じの文章なんですが、実態は自然公園内の大きな荒廃した山地地域ということになりますと、これはある意味じゃ林野庁等の伐採による跡地というふうなのが私の身近なところでもあり得る。
  ただ、そこのところがどういうふうになるかというのは、これはどうなんだといえば、国有林であるし、林野庁は林野庁として伐採計画を立ててやっている、あるいは環境庁の方は公園内を幾つかの地域に分けて、ここはもう絶対手をつけちゃいかぬところとか、あるいは伐採していいところとか、何段階かに分けてやっているというのはわかるんですが、そういった実態を踏まえると、これは何を目的としているんだ。ある意味では、林野庁の今の赤字で、林野庁にリカバーの、回復の予算がつかないところを、自然公園内でもあるし、そこが目につくと非常に格好が悪いから環境庁の予算で何とか見えるようにするんじゃないかというような感じにも受け取れる文章なんですが、そういう意味では非常に舌足らずの部分があろうと思いますので、その辺のところを一言、お立場から御説明願えればと思います。

○政府委員(丸山晴男君) お答え申し上げます。
  今先生お話しの大臣の所信表明の中身でございますけれども、実は緑のダイヤモンド計画という事業と別に、自然公園内の荒廃山地を対象とした保全整備事業というのがございます。あるいは当然ながら場所がダブってくれば連携して行うということも可能かと思います。
  お尋ねの緑のダイヤモンド計画でございますけれども、これは平成七年度からスタートいたしまして、我が国の国立公園、国定公園、これは我が国を代表するようなすぐれた自然の風景地あるいはそれに準ずる地域につきまして現在指定をされておりまして、自然環境が保全されますとともに、年間十億人以上の国民の方が野外レクリエーションの場として利用されているというところでございます。
  古来からの著名な地域といいますのは、人や車で大変混雑をいたしましてなかなかゆっくり自然に触れ合う快適性が確保されないとか、そういったようなことがございまして、国立公園や国定公園の核心地域を特定いたしまして、自然環境の保全あるいは整備のための施設、またより快適な利用を確保するための整備を総合的に実施いたしまして、すぐれた自然の学習あるいは自然体験の場を国民利用者に提供し、またすぐれた自然環境を次の世代に引き継ぐというようなことでございまして、平成九年度までに六地域で事業を実施いたしておるところでございます。こういったような事業、特に湿原とか自然林の保全等の事業、あるいは野鳥と出会う場といったようなフィールドの整備事業、利用者の拠点整備事業といったようなことを総合的に実施するというものでございます。
  また、森林伐採との関係のお尋ねでございますけれども、伐採との関係はないのかということでございます。
  例えば、国立公園におきます国有林の伐採につきましては、私ども環境庁で国立公園計画を策定いたしまして、また林野庁におきましては実際の施業計画であります国有林の施業管理計画というものを策定するわけでございますが、それぞれの段階で相互に調整を行っております。
  その結果、例えば国立公園の特別保護地区ですとか第一種特別地域につきましては伐採は原則として行わないという扱いになっておりますし、また第二種の特別地域におきましては三〇%の択伐を行うといったようなことになっておるわけでございます。そういったようなことで、国立公園内ではそういった調整の結果、適切な森林施業が行われているものと考えております。
  特に、今お話がございました緑のダイヤモンド計画、これは国立公園のさらに核心地でございますので、それが国有林の場合には事前に林野庁にも十分説明をし、必要な協力を得るという調整にも努めているところでございます。
○山崎力君 そういった御答弁だろうと思います。
  ただ、何かあれを読んでみましたときにそういった印象を受けましたものですから、これはうまくいけばいい話で、あとは役所間の連係プレーをうまくやって、後で後ろ指を指されないといいますか、あそこはどうなっているんだということが観光客から、あるいはそういったところへ行かれた方から出ないようにしていただくという意味での要望でございます。
  最後になりますが、一番重要であった地球温暖化対策についてお伺いしたいと思います。
  これは大問題でございまして、六%削減するという目標が設定されました。そういった中で、これで一番問題なのは、本当にできるのかどうかというところと、そこのところの前提として、原子力発電所をある程度増設しないとこの部分の削減目標が達成されない。そういう意味では、非常に言葉は変ですが、環境庁が国のエネルギー政策の根幹にかかわる部分まで対外的に約束したというか、これは政府が約束したということですからあ
れですが、大臣が当事者となって約束された、これはそういう意味では極めて画期的な約束であったというふうに私は思っております。
  問題は、それが本当に今後の行政の中で、環境庁が、かつて非力と言われた環境庁がビッグな通産省のエネ庁のエネルギー対策をコントロールできるのかどうかというところがある意味では焦点になろうかと思うんですが、まずその辺についての御決意というものを大臣からお伺いしたいと思います。

○国務大臣(大木浩君) 今回、京都会議で日本としては六%の削減というのを具体的な数値で出したわけでございます。
  正直申し上げまして、まだその内訳というのはかなり未確定というか、少なくとも非常に正確に数字を決めたというところでないところもありますけれども、実際の省エネないしは新しいエネルギーによりましてその削減をしていくというところにおきましては、まさに原発というのは非常に大きな要素になるわけでございます。
  総理がよく、これから新しい原子力発電所を二十つくるとか幾つかとか数字を言っておられますけれども、確かに現在のような原発に対する国民の皆様方の受けとめ方というのは非常に厳しいものがございますから容易でないことは十分に承知しておりますし、京都で六%を決める前にもというか、むしろ日本側の案をいろいろつくる過程におきましても議論はあったわけでありますから、当然に厳しい。厳しいけれども、これから差し当たりは二〇〇八年から一二年ぐらいのところを目標にしてだんだんに削減していくということでありますから、それだけの時間をかけて何とか原子力発電所を含めた新しいエネルギー対策というのを確立したいということで、これは通産省としても非常にきつい目標だけれども、やはり日本としてここまでは協力しなきゃいかぬということで合意をしていただいたということでございますので、これからそういった原子力発電所の建設につきましても、私どももひとつ関係各省と十分協力しながらその推進に努力をしていきたいと思っております。
  それで、何といいましても原子力発電所につきましては危険だという、その意識が非常に牢固としてなかなかなくならないものですから、その辺の説明ぶりが今まで十分でない、あるいは下手であったということは、これは反省しなければいけない問題でございますので、できるだけ原子力発電所、特に日本においていかに安全性については努力し、しかも必要な対策をきちっとしておるかということを十分説明しながら、またひとつ建設についての努力を進めてまいりたいというふうに考えております。
○山崎力君 この問題、温暖化対策の一つの要件としてCO2対策もあろうかと思うんですが、そういった意味で言えば、我々の呼吸していることでのCO2の排出ということを考えると、我々もそういった意味では数になれば公害物産出の大きな要件であろうと思わざるを得ないわけです。
  そのCO2の排出の先ほどの原子力の絡みでよく言われていたのは、原子力発電所はCO2を出さぬのだ、火力発電所はたくさん出すんだということで、原子力をこれから温暖化対策を含めて進めなければいかぬという、エネルギー源としての貴重な存在であるという論がなされておりました。安全性の問題を別にすれば、これは一番重要ですけれども、その論は一応正しいというふうに言えると思います。
  ただ、そこのところで一部といいますか、我々もその論に対して耳を傾けざるを得ないのは、確かに発電状態になった原子力発電所からはCO2は出ないよと、だけれどもその原子力発電所をつくるということにおいての産業活動、こういったものからCO2が出るのではないか。あるいは終わった後、それを最終処分まであるいは発電所の解体までの部分でのCO2も出るんではないか。
  それからもう一つ言えば、今話題となっております太陽光発電、これがどの程度進むかは別として、確かにこれもCO2は出さぬのだけれども、その太陽光発電の一つ一つのパネルといいますか発電素子をつくるのにだってこれはCO2は産業活動として出るんだろう、廃棄ももちろん当然何年か後には出てくる。
  そういった総合的なことをおっしゃる方もいるし、確かにそうかなという気もするわけですが、その辺のデータというのは、もちろん細かいところは無理だと思いますけれども、そういった全体的なCO2の抑制策というものを通して、これからのエネルギー源、あるいはもちろんそれをうまく節約するというのは当然のことですし、原子力発電所においてはこれは安全性というものは当然のことですけれども、そういった中において、やはり日本の将来のエネルギー対策と地球温暖化対策を総合的に考えた場合、原子力発電というものに我が国のエネルギー政策は頼らざるを得ないというふうにお感じかどうか、大臣の所感をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(大木浩君) エネルギー対策は私どもだけの問題ではございませんけれども、私どもも通産省その他開運省庁と一緒にこれから考えていくという立場から結論的に申し上げますと、やはり原子力発電所というのは今おっしゃったようなつくるときのエネルギーあるいはつくった後の保守についてのエネルギーいろいろありますから、それは総合的に計算しなきゃいけませんけれども、ほかの新エネルギーというのがいろいろと理論的には論じられておりますけれども、まだすぐには日本のエネルギーの中心にはなり得ない。
  太陽発電につきましては、いろいろとそれを非常に直視される方もございますけれども、当面は、これからの例えば十年ぐらいのことを考えますととても日本のエネルギーのうちの相当な部分になり得ない。せいぜい一%を超えたとか超えないとかそんなような数字でございますので、なかなかこれは太陽だけには依存できないということになりますと、当面はやはり原子力発電というものが、当面といいますか差し当たりは今、六%の話も先ほどから言っておりますように二〇一〇年前後のことを考えておるわけですから、そういったタイムスパンの中では原子力というものに相当重く依存せざるを得ないんじゃないかというふうに理解しております。
○山崎力君 終わります。
(後略)