意見交換「対外経済協力のあり方について

(平成10年4月8日参議院国際問題に関する調査会対外経済協力に関する小委員会会議録より抜粋)


(前略)
○小委員長(板垣正君) ただいまから国際問題に関する調査会対外経済協力に関する小委員会を開会いたします。
  対外経済協力に関する件を議題といたします。
  本小委員会は、設置されて以来、ODAの理念、実施体制を初めとしたODAのあり方、ODA基本法案の扱いを含む国会とODAとのかかわりなど、二十一世紀に向けたODAのあり方を各小委員間で率直に議論してまいりました。
  このたび、各小委員の皆様の御意見をもとに最終報告の調整を進めてまいりましたが、配付いたしましたとおりの調査報告書案を作成することができました。
  本日は最後の小委員会となりますので、まず、これまでの小委員会の所感、補足意見など、何かございましたならば、一言ずつ自由に御発言いただきたいと存じます。
  それでは、御発言を希望される方は挙手を願います。
○山本一太君 この対外経済協力に関する小委員会の調査報告書を見せていただきまして、大変よくまとめていただいたなという感じがしております。今まで小委員会の報告書でここまではっきり議論の内容を盛り込んで、しかも大きな方向を打ち出したものというのは見たことがありませんので、そういう意味では非常に私自身は画期的なものになったのではないかというふうに思いますし、板垣小委員長が随分御苦労されて取りまとめをしていただいたということについては本当に感謝申し上げたいと思います。
  ODAについては、私よりもずっと長く国会でかかわられてきた先輩方とこうやって議論をすることができたということも大変勉強になりました。
  私の宿題、山崎先生から宿題を出せと言われたあの部分も、一応この報告書の中に現行システムの強化拡大みたいな形で盛り込んでいただきましたし、全体としては大きな方向がこの報告書で打ち出せたのではないかというふうに思いますので、大変これはいいものをつくっていただいたということを一言だけ申し上げたいと思います。
○馳浩君 私も半年以上こうやってODA問題にかかわらせていただきまして、その間、残念だったのは、こういう小委員会の議論がもうちょっとマスコミ等々に取り上げられて、せっかく国民の関心を引きつけるような議論をしているはずなのに、それが外へ伝わらないというのが非常に残念でありましたというところです。
  ただし、これが本調査会の方に上がりまして公になるという段階になりましたら、今財革法の問題等々もありまして国内向けの議論は多くありますけれども、国会におきましてこういう国際貢献の議論がしっかりなされているんだと、その方向性がまとめられているんだということがもうちょっと発信されますように願っております。
  そういう点におきましても、ODA基本法の骨子案を提示するまでこの小委員会の議論が煮詰まって、それを出せたということで、一つ成果が上がったと思います。
  小委員会は恐らく本調査会での報告で終わりになりますけれども、私も引き続きODA問題等にはかかわっていきたいと思いますので、今後とも先生方の御指導をまたお願いしたいと思います。
  大変ありがとうございました。
○永野茂門君 私は後半しか参加しなかったわけでありますけれども、小委員会における討論等、非常に充実して立派な討論であったようでありますし、そしてまた、今回のこの調査報告書は非常に立派にそれをまとめておりまして、大変に結構だと思います。
  こいねがわくは、政府はこの報告書の線を尊重して、実際にこういう方向でさらに検討の上、実行していただきたい、こういうことを希望いたします。
  以上です。
○広中和歌子君 私も、この提言を読ませていただいて、改めて長期にわたっていい結果が出てきたんじゃないかなと喜んでおります。
  例えば、「提言七 環境ODAの重視と人材の確保」とか、「提言八 社会開発分野の重視」とか、そのほか、「提言一三 国民参加型援助の推進」、「提言一四 NGOとの連携の強化」あるいは「提言一七 開発教育の推進」といったような新しい方向性というか、さらに強調しようという新たな方向性が出されたこと、そしてまた、ODA基本法に向けての骨子も具体的に出てきたことなども私はすばらしいことだと思います。
  ただ問題は、今、馳先生もおっしゃいましたように、もうちょっと世間にこうしたものがあるということが知られるということと同時に、いかにこれが実行されていくか、そのプロセスを我々は見守る必要があるんじゃないかと思います。
  差し当たって、これが出ましたときに、もちろん一般政府広報でなされることと存じますけれども、もしできましたらインターネットに載せていただいたら、日本語だけでもまず日本国内のNGOの方なんかも見られるでしょうし、それから、できましたら英語にしていただければ海外の人たちの参考になると思いますので、ぜひその点はよろしくお願いします。そして、そういう世論からのプレッシャーもあってそれが実現に速やかに近づいていくということが望まれると思います。
  どうもありがとうございました。
○福本潤一君 私も、国際問題調査会にちょうど入ったときにこのODA関係の小委員会に参加させていただきまして、国際問題調査会自体のフリートーキングも新しい体験でしたけれども、このODA小委員会におきしましてもある意味では新しい体験をいろいろさせていただいて、委員会の質疑はこういうフリートーキング型でやると案外中身がある形で出てくるなと、非常にいい体験をさせていただいたと思います。
  メンバーも、今まで基本法を出していただいた田先生、上田耕一郎先生、ベテランの方々がいろいろな御意見を言っていただいたり、山本一太先生も長い経験を話してもらったり、広中先生の国際的な体験も話していただいたり、特に今回、基本的に基本法の絡みでは、板垣先生また山本一太先生、かなり御苦労されながら対応しておられたというのをはたでかいま見ました。
  最終的に、提言二〇ということで「ODA基本法の立法化に向けての論議のたたき台としての基本法案の骨子の提起」という形でまとめていただいたということで、次につながる形になったんではなかろうか。あと、組織の一元化、これはかなりの方がまた要望しておったわけでございますが、今後、他国のNGOに絡む法律また組織、こういうものを参考にしながら次のステップに進んでいけるんではなかろうかと思います。
  と同時に、外務省の考え方等々もこの小委員会を通してある意味ではかいま見られたというところがありますので、今後こういう委員会がさらに次のステップへ進められることを希望しながら、私の感想として申し述べさせていただきたいと思います。
  以上です。
○上田耕一郎君 私は、前の外交・総合安保調査会時代も小委員会に参加してずっとやって、今度またこの小委員会になって参加できたんですけれども、前のときも全会一致であの七項目の合意がつくられましたし、それが政府の開発援助大綱、ODA大綱にも骨子が取り入れられるとか、役割を果たしたと思うんです。前回とまた違った意味で、今度は、ODAの多面的な問題点をかなり深く突っ込んで、参考人も専門の方々がいらしてくださったし、それから小委員間の討議もかなり突っ込んだ討議が行われて、非常にまたあのときとは違った意味で重要な役割を果たした小委員会になったように思うんです。
  十一回開いて、これだけの参考人を選んでオーケーをとって呼んでいただくような仕事を委員部の方も大変だったと思うんですけれども、御苦労にも感謝したいと思うんです。それからまた、調査室は、最初から相当充実した資料を私たち小委員にも提供してくださいましたし、それから議論の経過などもずっとまとめてつくってくださったし、全議事録はありませんけれども、非常に調査室にも御苦労いただいて感謝したいと思います。それで、ああいう議論をこれを見てうまくまとめるものだなと深く感心しまして、これは板垣小委員長の指導で調査室の方々も大変御努力いただいたと思うんですけれども、非常に立派な報告書ができて大変よかったなと思っています。
  それで、これは皆さんもおっしゃいましたけれども、ここに骨子が載りましたが、今後本当に、最後に書かれてありますように、「ODA基本法の制定に向けて検討を始めるとした場合における基本法案の骨子を提言することについて共通の認識を形成することを得た。」とあるんですけれども、ぜひ国民の要望や期待にこたえられるような、国会が役割を果たし得る基本法がつくられることを心から願っております。
  以上です。
○山崎力君 今、上田先生の方からもありましたけれども、関係者の御苦労によりまして本当にいいものがまとまったなというのが率直な感想でございます。
  言葉じりをとらえればいろいろ背景があるんだろうなということで、その背景を知らないとなかなかすっと来ない部分もあるんですけれども、それだけ御苦労が多かったというふうに私は感じております。それが一つの方向づけができたと、皆様方がおっしゃられているような基本法の立法化へ向けてということで、その方針が固まったという、結論が出たという、そういった点は本当によかったと思っております。
  ただ、問題というのは、あくまでも小委員会の調査報告書でありまして、本調査会における、もとの調査会における議論というのは一応あるという前提の報告書でございます。国際問題に関する調査会自体もこれを恐らくそのままの形で調査会の報告に、結論にするだろうと私は思っておりますけれども、そういった点、あとわずかな時間しかございませんので、その辺のところを、きょうの小委員会に参加されている方は自動的にもとの調査会の委員でもあるわけで、そういった中で我々が議論した結果が素直な形で調査会の一つの結論になるように、あと一踏ん張りかなという気持ちを持っております。

○小委員長(板垣正君) ありがとうございました。
  意見交換はこの程度といたします。
(後略)