質問「『高速自動車道活用施設について』他

(平成10年4月23日参議院国土・環境委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 改革クラブの山崎でございます。
  最後の質問となりますので、お疲れのところでしょうが、それといろいろ事前にお願いしてあった部分でかなり重なる部分がありますので、ちょっとその辺のところは微妙に違ってくる部分もあろうかと思いますが、御容赦願いたいと思います。
  今回の法律改正に関して見れば、私は全体として規制緩和あるいは民間活力活用等は景気対策その他にもなるのではないか、少なくとも悪い影響はないだろうということで賛成でございます。そして、これが利用者の利便の向上につながるということと、それがめぐりめぐって道路公団等の収入アップにつながって、料金の値上げの方にも多少なりともいい方向が出ればなというのが基本的な考え方ではございます。さはさりながら、明確な悪い影響が何かの形で出てくれば困るということは当然あるわけでございまして、法を直そうという役所側がその辺のところをどこまで考えているのかなということが一、二ございますので、まずその点をお尋ねしたいと思います。
  と申しますのは、こういう施設ができたときにどことまずかち合うかというと、金銭を扱うようなところが一番問題になるわけでございます。例えば、食堂は今までどおり施設協会がやっているような形で食事をするのが、そこに民間施設ができてくれば競合関係が出てくるであろう、そこで競争するのはいいのじゃないかという考え方もあれば、今までの売り上げが確保できなくなって本来あるべきところが収入減になるのではないかということの問題があろうかと思います。
  私が個人的にも、あるいは一般に高速道路を利用している方も考えているのは、特にガソリンスタンドといいますかガスステーションの問題であろうと思うわけです。今度の新しい施設にガソリンスタンドが併設されれば、これはふと思っていただければわかるんですが、一般国道に面しているところのガソリンスタンドのガソリン料金と高速道路中のスタンドの料金は明らかに違うわけでございまして、その辺を考えれば当然その辺の影響は一番わかりやすい形で取り上げましたが、今度の施設に例えばガソリンスタンドというものを念頭に置いているのかどうか、ちょっとお伺いします。

○政府委員(佐藤信彦君) ガソリンスタンドだけではなくて、そういった一般道路に面する側、それから高速道路に面する側と両方が同じところ、車は通り切るかどうかは別にいたしまして歩行者は行けるわけでございますので、そういった可能性はあるかと思います。
○山崎力君 そうなってきますと、明らかに立地条件さえよければガソリン料金の値下げ競争といいますか、そういうものがサービスエリアで起きる可能性が出てくる。そのときに、恐らく既存の側からすれば、我々は普通の一般道路と違ったサービスを提供する義務を公団側と約束しているのである。例えば夜間についても営業するとか、あるいは修理部門を併設するとか、そのための人員を確保するとか、そういったものを考えれば、いわゆるコスト的に、ただガソリンを入れる、今はやりで言えば自分で入れるようなセルフサービスのガソリンスタンドもこれからオーケーの時代になってくる、そうすると我々は明らかに不利である、その辺のところを何とか指導してくれないかというふうな話にもなりかねないと思うんですが、その辺の御認識はいかがでしょうか。
○政府委員(佐藤信彦君) インターチェンジ周辺とか、サービスエリアは必ずしもそうではないんですが、その周辺においては恐らく現行でも中のガソリンスタンドとインター周辺といったところでは同じようなことがやはり行われていたのではないかというふうに思っております。
  そういった意味では、確かにサービスエリア等におきましてもそういうことになれば競争が出てくるのではないかということはございますが、それによってまたサービスの水準がさらによくなる方向に進めばということも一つあると思いますし、そこら辺のところは必ずしも一概にマイナス面だけということにはならないのではないかというふうに思っております。
○山崎力君 必ずしもマイナス面にならないというか、利用者からすればこれはプラス面だけなんです、簡単に言えば。ただ問題は、そういったと
ころで一方の既存の業者の立場からすれば、自分たちが競争するときに片っ方の手を縛られた形での競争は困るよというのも人情でございまして、そうするとそれじゃ競争を勝手にする、コストダウンするとなったら、利用客の多い時間帯だけやって、修理施設も私は半分閉鎖みたいな形にしたらコストダウンになる。そういうふうなことになれば、逆に言えば利用者から見れば非常にサービスダウンにつながる。
  その辺のところで、私が申し上げたいのはどういうことかと申しますと、そういった非常に微妙なところで今回の事例が、どこが主導権を握るか知りませんけれども、広い意味での行政指導といいますか、なれ合いの場になる可能性があるということを指摘したい部分があるわけでございます。こちらを立てればあちらが立たずになるわけですから、もう割り切って勝手に民間同士で高速道路上で競争しなさいというふうにすれば、それはそれで一つのやり方でございますけれども、公団の方の立場からしてみても、やっぱり最低限のそういった特に閉鎖された道路空間におけるサービスというのは必要だろうというのは当然あるわけでございます。その辺のところを問題点として私は感じておりますので、今後の問題、これは最後に大臣にお聞きしたいわけですけれども、まさにその辺のところが許可手続の透明性とか公平性の確保という部分も出てきますというところを申し上げたいわけでございます。
  それで、続いて主に今回の不祥事に絡んでなんですが、まず何で道路公団ができたのかという設立の問題点。それから、それでは道路公団がありながら何で施設協会なるものができたのか。それで、施設協会が出資してなぜ料金受け渡しとかあるいは交通管理とか施設の維持とかそういった子会社がたくさん出てきたのか。これは長い経過の中でそれぞれの理由があって出てきたということは当然で、一つ一つについてここは議論する時間もその気もございませんが、これはいろいろな中で問題点を指摘されて改善しなきゃいかぬ、こういうふうなことで今道路公団では建設省の指導のもとでいろんなことをなさっているというふうに理解しているわけです。
  特に、一般のすべての特殊法人その他の問題点と持ち株会社の関連というのはここに限らず言われているわけですけれども、施設協会絡みの関連会社についていろいろ言われておりますのを前提にお伺いしたいのですが、先ほどのどなたかの答弁で約百社ぐらいあって、その六割くらいに社長さんが天下りしているところがあるということでしたが、そのうちいわゆる施設協会が株を持っている会社のうち株式公開をしている会社はどのくらいあるのか、その中で有額配当をしているのはどのくらいあるのか、あるいはその施設協会へのそういった関連企業からの配当金の総額は年間どのくらいになるのか、まずお伺いしたいと思います。わかる範囲で結構です。

○参考人(下苙直樹君) まず最初の公開している会社でございますけれども、これはございません。
  二番目の協会に配当している会社でございますけれども、平成八年度において五十五社でございます。
  三番目の配当収入でございますけれども、五十五社からは約八千四百万円でございます。
○山崎力君 そういったことで、今回持ち株会社を処分しようという方針がなされていると思うわけでございますけれども、まずその点についての株の処分先というもののめどが立っているかどうか。そこの売った株の収入はどの程度になるのか。これは非公開ということですからどうなるかというのは非常に問題がございますが、その収入の扱いをどういうふうにしようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(下苙直樹君) 協会出資六十六社のうち、主に公団の業務を行っている五十六社につきましては、協会が分割される平成十年度後半までに処分することを目途としておりますけれども、引受先や株の価格の評価の考え方を含めまして、具体的な処分方法については、現在、協会において検討中でございます。
  それから、使い道ということでございますけれども、処分価格ですね、一般に株価の評価には種々の方式がございますけれども、それらの方式を参考に、株処分に至った経緯とか出資会社の業績、社会経済情勢などいろいろな観点から総合的に勘案して適正に処分したいと考えております。
  それから、施設協会の方につきましては、本来公益事業ということを使命としておりますけれども、お客様への便益増進に努めるというふうに聞いております。
○山崎力君 そうするとかなりの、どの程度の額になるか全然検討がつかないんですけれども、株を売って収入があった、それを何らかお客様の方にバックしたいと、このようにお答えになったわけですけれども、たしか施設協会からは公団に対して年間四十六億でしたか、平成八年度であれがあるんですが、この額が適正かどうかという極めて微妙な問題もございます。
  簡単に言えば、その辺のところの関係がどうなっているかというのは、道路公団と施設協会の関係にもなるし、これから分割して競争させようということもあるわけですけれども、その辺のところで、これから公団としてどうやっていくのかということはほかの特殊法人その他の財団法人との関係もありまして極めて先駆的な部分もあろうかと思うんですが、その辺の大きな方針についてお答え願えればと思います。

○政府委員(佐藤信彦君) まず、先ほどの株式の話でございますが、これは施設協会から各会社に出資されている額が三十五億でございますので、それをどういうふうに評価するかといった評価の仕方で変わってくるかと思います。
  それから、先ほどの施設協会から道路公団の方に支払われている占用料でございますが、これは平成八年度の決算ですと四十五億ということになっております。今回の道路公団並びに施設協会の改革におきまして、この占用料をさらにふやしまして、むしろ道路公団の償還の方に役立てるべきではないかといったことでふやしております。
  それから、これは平成八年度の段階でございますが、サービスエリアの清掃、それから情報提供、交通安全の啓蒙、この費用も百五十億ほど含まれておりまして、大体二百億程度が道路公団の方に収益還元といった形で行われております。
  そういったことで、今後も施設協会から道路公団、こういった形ででも償還に少しでも役立つよう、そういったものを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○山崎力君 今回の改正の問題は、そういった意味で、今おっしゃられたいろいろな数字が出ていますけれども、一言で言えば、道路公団自体としても将来の日本の高速道路体系をこれからもつくっていかなきゃいかぬ、あるいは維持していかなきゃいかぬということからいけば、できるだけ付加価値をつけて一般の利用者のいわゆる負担を減らすということは、一番最初に申し上げた有料高速道路をなぜつくったかという、本来余裕があれば、あるいは制度的なあれがあれば、国がいわゆる建設省の一般国道としてつくって、それで無料で提供するというのが本来の姿である。
  ただ、便宜的にこうした方がということでやったということを考えれば当然のことでございますし、その意味でいかに一般利用者以外から収益を上げるかということからいけば、初めてのことではございましょうけれども、民間というものと、それから一般のそういったものの民間会社化してなおかつそこから入札によってできるだけ安いコストで維持をする、あるいは売り上げのところからのあれをもらうようにすれば、これは当然収入増にもつながる。
  そういった意味で、将来を見ての極めて貴重な第一歩というふうに評価するんですが、先ほどの質問にもありましたように、一つ一つのことを見ていけば、なかなかお金の絡んだ問題で、いわゆるお役人出身の方々に比べればもっと商売上手の人が相手方になってくるということを考えます
と、極めて不透明なやりとりをせざるを得ない部分も出てくる可能性が十分あると、ガソリンスタンドの例を見ましても。
  そういう問題点を抱えているというふうに思いますので、その辺を含めて、日本の高速自動車道の、公団の将来像も含めて、大臣から最後に御答弁願えればと思います。

○国務大臣(瓦力君) 山崎委員から幾つか事例をお示しいただきながらの御質問でございました。
  高速自動車国道活用施設の連結許可や占用許可に当たっては、許可手続の透明性、公平性の確保が必要である、重要である、こういうような御指摘もいただいたわけでございますが、まさに同様に極めて重要な課題であると認識をいたしております。
  よって、参入機会を初め、これは局長からも答弁がなされたわけでございますが、まず周知徹底するための十分な広報がなされなきゃならぬ。それから選定基準も明確にしておかなきゃいかぬ。それから事業者の選定結果、選定理由の公表などもきちんと行っていく。そういう基準、審査の内容を明らかにしてまいる。さらに加えて、有識者から成る第三者機関の審査に付するとか、こういうようなことで過当な競争を避けながら、市民の利便性に寄与し、また利用者の費用負担が軽減されるように運営していかなければならぬ。
  こういったことを十分踏まえまして、透明性の確保や公平性の確保を図るために、またいろいろ御指摘をちょうだいしながら、多分にして当初は試行的なこともあろうと思いますが取り組んでまいりたい、こう考えておるところであります。
○山崎力君 終わります。
(後略)