質問「『環境ホルモン問題について』他

(平成10年6月4日参議院国土・環境委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 最後の質問になりましたので、長い間でもないんですが、この問題をやってきました。私なりの結論を先に申し上げますと、方向性としてはいいのかなという気がしております。ただ、これが、大臣のお言葉ではございますが、本当の建築基準法の抜本改正なのかなというと、どこが抜本なんだという気もしております。
  そういったところから見て、一、二お尋ねしたいわけですが、前の何人かの委員の先生からも出ていましたけれども、要するに不良建築物、そういったものをどう防ぐかという意味でどうしたらいいんだろう、特に建て売り住宅の場合の例がよく出ております。設計ミスなのか施工ミスなのか、あるいは悪意のある手抜きなのか単なる施工不良なのか、そういったことに対してある程度悪質なもの、それから技術の未熟なものはこういった業界から出ていってもらうということによって、品質を確保するという考え方が私はもう少しあっていいんじゃないかなという気がしております。
  その点、例えばこういうことまでやるようじゃけしからぬというような基準というんですか、そういったものを統一的にある程度全国的にやる必要があるんじゃないか。あるいは会社、個人の業者でもいいんですが、そういったものに対して行政上もう少してきぱきとした排除の方策がないのかというふうに思っておりますが、その点についていかがでしょうか。

○政府委員(小川忠男君) 手抜きとか設計あるいは施工のミスといっても、事の軽重はおのずからあると思います。したがいまして、例えば中間検査制度を導入するといったときにも、どういう点が検査のポイントになるのかということは体系的に全部を網羅するというわけにはいかないと思いますが、きちっとした形である程度チェックポイントは整理して皆さんにお示しした方がいいと思います。そういう極めて重要なところに対して極めて悪質な違反があったという場合と、単なる軽微なところでミスがあったというのは、恐らく処分の体系が違うことはしかるべきだと思います。
  現段階でのいろんな処分のありようについて申し上げますと、私自身率直に申し上げてかなり甘いというのが現状だと思います。その意味では、今回の建築基準法の施行、さらには設計士、建築士によります工事監理の再構築というものと軌を一にして、処分体系、行政処分のありようについてももう一度点検させていただきたいというふうに思っております。
○山崎力君 本当に悪質になればこれは刑事罰の対象にもなるわけですが、刑事罰と行政罰との関係をどうするか、それから実際に行政罰のところの運用をどうするか。その運用主体が司法と違いまして、実際にそれを運用する者が、まさか一々建設省の役人が行くわけでもないし、それじゃ県なのか市町村なのか、そのときの教育レベルが同じなのかどうなのか。これは問題が山積みだろうと思うんです、実際にやろうとすれば。
  つけ加えて言えば、いろいろ台帳の整備その他もあるんですが、これも本当にきちっとして、全国的にある程度の比率で七割とか八割の建物まで全部わかるような台帳に整備するというのは、これはもう膨大な作業量が必要になってくる。そういった意味では、制度はいいんだけれども実際にどうそれを運用していくか運用するデータをどう整えるか、これは極めて私は将来的にも何年か計画できちっきちっとやっていかないと、単なる絵にかいたもちになる法案ではないかというふうに危惧しておるわけでございます。
  その点はこれだけにいたしまして、次の問題でお伺いしたいのは、この問題でよく出てくるのが建ぺい率、容積率あるいは用途指定という問題ですが、ここのところがどうもはっきり見えてこない。先ほどのお言葉で言えば、単体規制ということに関しては非常にいいわけでしょう、この問題では。ところが、もう一つの集団規制のバックグラウンドにある良好な町づくりをどうするかということになりますと、これは大臣のお言葉にもありましたけれども、地方の特色を生かしてとか、地方の中心、自治の形で言う都市計画をどうするかとか、町づくりプランをどうするかとかそういった話になってきて、建築基準法という国が定めた建築基準をやることでありながら、それがなぜか、どちらかというと都市計画法というのもあるんでしょうけれども、国のレベルでない部分で大幅に影響を受けてくるということが、どうもその関係がよく私には見えてこない部分があります。
  端的な例で申し上げますと、ある自治体が、我が町づくりはこうするんだということで容積率、建ぺい率を大幅に緩和して、駅前の集中市街地をつくろうということが何の理由でできるのかできないのかということが見えてこないわけですが、その辺のところを含めて、集団規制と単体規制、これが今回の改正でどういう意味を持っているのか。
  あわせて、その辺にひっかかってくるのが、税制が物すごく影響してくると思うんです。簡単に言えば、私の考え方からいけば、建ぺい率の規制を税制でやってもいいんじゃないか。要するに、この地域は建ぺい率五〇%まではこの比率でかける、ところが七〇%のところには比率を上げて税金を多く払ってもらう、八〇%まで認めて、そこはもっと高くする、八〇%以上は認めない、こういうことだって将来の町づくりには関係してくるのではないだろうか。
  それから、何度も繰り返しますけれども、良好な住宅地を破壊したのは、バブルのときもありましたけれども、相続税による良好な宅地の分割化というのはこれはもう目に見えているわけです。全国各地であるわけです。
  そういった点での税制の問題も含めたお考えをお聞かせ願えればと思います。

○政府委員(小川忠男君) 基準法と地方公共団体とのかかわり、あるいは町づくりと基準法とのかかわりというふうなことから申し上げたいと思いますが、今回の改正は、どちらかといえば基準法の中でもいわゆる集団規定、都市計画と絡む集団規定のところについては、連檐建築物関係を別にすればほとんど改正の手を加えておりません。単体と総則的な手続等々が中心になっております。
  基準法で集団規定についても幾つかの用途等々について法律で類型を決めております。ただ、その当てはめ、どれを選んでどう決めるかは公共団体が都市計画の手続でお決めになるということでございますので、これは常に都市計画をめぐっていろんな議論が実は行われるわけでございます。現行でも、中央集権的に過ぎるじゃないかという議論もございます。市町村に権限をおろせという御意見もございます。一方で、おろし過ぎたら何となく変なことをやっているじゃないかという御意見もございます。これは、どの制度をつくる場合でも国と地方との兼ね合いをどうするかというふうなことだろうと思います。
  したがいまして、結果的に言えば、制度論を離れますと、やはり国はある程度いろんな御意見なり応援するような観点から注意を申し上げるとか、御指導するという立場かと思います。最終的には市町村の権限だというのが法制であるならば、市町村議会に対してないしは市町村の住民に対して市町村行政が責任をとるべき問題だと思います。
  それから、税でございますが、いろんな意味で住宅あるいは建築物等を税で、私どもからも税制のお願いをしたということもございますし、いろんなかかわりがあろうかと思います。ただ、建ぺい率、容積率を税によって多少操作するということについて申し上げますと、例えば固定資産税一つとっても、やはり担税能力を外形的に把握した上で課税しているという固定資産税の基本的性格からして、建ぺい率操作のために固定資産税を使うとかあるいは住民税を使うというのは、ちょっと何かハードルが少し高いところがあるのかなと。私自身、税のプロじゃございませんので断定的なことは申し上げにくいんですが、今までの常識的な運用からすると、税ではちょっと限界があるかなというふうな感じがいたします。
  ただ、いずれにせよ、住宅あるいは建築物をめぐって税制が大きな役回りを演じている、これは御指摘のとおりだと思います。その意味では、税との論理の折り合いがつく限りいろんな意味で工夫させていただければと思っております。
○山崎力君 今のお答えが端的に示しておられると思うんですが、要するに建築基準法というものがいわゆる単体規制の法律と同時に集団規制の法律でもある。今回の改正は単体規制を主にやっておられるということが基本的に押さえられたと思うんです。
  そうしてまいりますと、今確かにそういった阪神大震災等の問題とかいろいろな問題で単体の問題もありますけれども、ここで私の言いたいところは、その流れでくるとわかると思うんですが、今一番我々が考えなければいけないというのは、ちゃんとしたそういう建造物をつくるという単体の問題ではなくてそれの集合体たる町づくりをどうするのか、その中に建築基準法がどう当てはまるのか、現実に町づくりの中で建ぺい率あるいは容積率等で、そこのところでどういう町になるかということが極めて大きな影響を現実に及ぼしているということだろうと思うわけです。
  そこのところを、これは最後に大臣の方からの御答弁もいただければと思いますけれども、市町村にそれを任せるのか、それともどこまで国が関与するのか。現実に用途指定という都市計画というところの絡みと、都市計画法との絡みと建築基準法との絡みがどうなっているのかということがなかなか見えてこない。私のにわか勉強だということもあると思うんですけれども、その関係がどうも見えてこない。
  都市計画で勝手に、勝手にと言うとおかしいんですけれども、それなりに都市計画をつくる、用途指定をする、それでそこのところにこういった用途にしたときに、こういうものがその場合に建つであろうというのが建築基準法になってくるわけです。これは鶏と卵で、都市計画があるからこういう建物を建てようというのがあるのか、こういう建物が建つものだからこういう都市計画にしようとするのか、これはぐるぐる行ったり来たりする問題です。
  それが、私自身今回の議案を考えていくときに、これは本当に建築基準法の抜本改正をするとしたら都市計画法との関係をもう少しすっきりさせて、こういう町づくりを国としては考えているんだ、その具体策については市町村にこういうところは独自でやっていただきたい、国としてはガイドラインとして建築に関して町づくりに関してこういう法律をつくりました、その辺のところをはっきり示すことが、私はまさに年月を経た後での抜本改正じゃないのかなという気がしているわけですが、その辺の感想も含めまして大臣及び局長から答弁を願いまして、私の質問を終わりたいと思います。

○政府委員(小川忠男君) 市町村との政治的なかかわり以前の問題として、若干事務的な意味で私からお答えさせていただきたいと思います。
  今回の基準法は、先ほど申し上げましたように単体と総則的な手続中心でございます。ただ、集団規定のありようについては時間を少しいただきたいと思います。思いますという意味は、先ほど来何回かお答えしておりますように、基準法が成立した後、これを円滑に運用するのに恐らく組織のエネルギーが相当食われると思います。それをある程度見届けた上で、これは基本的には先生おっしゃいますように都市計画制度のあり方との検討と行ったり来たりでございますが、私どもとしては集団規定のありようについても次のステップの総点検の態勢に入るのかなというふうな感じでいます。
  いずれにせよ、都市計画と集団規定のありようについて検討を加えるという時期が早晩来るだろうと思います。
○国務大臣(瓦力君) 最後に機会を与えていただきましてありがとうございました。
  今局長から答弁がございましたが、いわゆる建築物の安全性の確保という問題と町づくりという問題を含めながら御質問でございまして、要するに住民に身近な地方公共団体によって具体的な執行が行われるということが基本でございます。地方公共団体におきまして的確な運用がなされることは重要であるということと、阪神・淡路で明らかにもなりましたように、建築物の安全性が全国にわたりまして確保されるようなことは国としての責務の一つでもあろうと、かように考えるわけでございまして、法の運用に当たりまして積極的に必要な助言、指導を行ってまいることは当然だと思います。
  なお、局長がお答えになりましたように、町づくり等に関しての問題をあわせて考えますとなお研究される余地というものを御指摘いただいておりますので、局長の答弁にあるように検討を加えながら研究しながら、また委員会においてお世話になることに相なろうと、こういうぐあいに考えるものでございます。ありがとうございました。
(中略)
○山崎力君 改革クラブの山崎でございます。
  内輪話になるようですけれども、質問通告したことが前の先生方の質問の中に大分出てきてダブっておりますので、当初の質問そのままの形ではダブりますので、その辺のところを踏まえた形で、ちょっと違ってくる部分もあろうかと思いますがお答え願いたいと思います。
  まず、非常に基本的なところからお伺いしたいんですが、きょういろいろ問題になっております環境ホルモンですけれども、これは、かって聞いたことがある外因性内分泌攪乱物質とどこが違うのか同じなのか、まずお答え願えればと思います。

○説明員(廣瀬省君) 同じものでございます。
○山崎力君 今世間的に通りがいいということもあって環境ホルモンというような名前でマスコミ等を通じて一般国民の間にも伝わっていると考えるわけですが、エイズとその場合の後天性何でしたか忘れましたけれども、その辺の言葉の問題、もともと言えば若干違ってきているんじゃないかなというのがあるわけです。
  そこで、ちょっと教えていただきたいんですが、外因性内分泌攪乱物質、要するに自分の体内でない外からの影響で内分泌を乱す物質であるということであれば、例えば古来から言われてきた事業、毒だと言われているものがあるわけですけれども、それが内分泌を攪乱することによって体を害するものもあったのかなと。もしそうであれば、それはそこの中に定義上含まれるんだけれども、今問題になっているのはそういう物質じゃないんじゃないかなという気がしているんですが、その点はいかがでしょうか。

○説明員(廣瀬省君) 確かに物質によっていろんな害をホルモンに作用する部分があるかと思いますが、現在、生殖毒性の議論のところで注目をされてきている。そしてそのホルモン作用、それから脳神経作用、それからもう一つ免疫作用というところを含めながら学問としては進み出している。
  最初の気づいたところは雌化の話とかそういう話から出ているということですから、先生のおっしゃるとおりかなり変わっていく可能性はあるだろうというふうには思っておりますが、今のところ、そういう意味ではこれからの研究の成果の中でどうなっていくかということになるかと思っております。
○山崎力君 私の記憶からしますと、この問題に近い形でいわゆる環境ホルモンなのかなと、今から振り返ってみればあの問題だったのかなというので記憶があるのは、アメリカのハクトウワシの減少問題であります。その原因が何かということで調べた結果、非常に卵の殻が薄くなってふ化率が下がって、それで減少しているんだという記憶がありますが、詳しくは知りませんでそれ以上のことはわかりませんけれども、もう何年前になりますか、それの記憶さえ定かではございません。
  そういったことで、そうすると今一番問題になっている環境ホルモンというと、いわゆる生殖作用に関連するホルモンに影響を与える物質が何かという視点での議論がなされている、そこのところで絞り込んでいるというふうに意識していいのかどうか。
  もう一つ、そこのところでダイオキシンという問題があるんですが、これはそうすると今言われている環境ホルモンに相当するのか、それとも外因性内分泌攪乱物質には相当するけれども今話題になっている環境ホルモンには相当しないのか、こういうところも出てくるわけですが、その辺のことをちょっと教えていただければと思います。

○説明員(廣瀬省君) 具体的に申せば、ダイオキシンも内分泌攪乱物質の中でとらえていくように疑っているということになります。それから先ほどのハクトウワシの話も含めて、ハクトウワシもその中で疑われてきた一つの事象として本の中では出てくるということになっておりまして、確かに古い話でありますが、具体的な意味でいけば、今のダイオキシンの問題も含めて考えていけば、当然ダイオキシンの作用の中でそこの部分が疑問に思われてきているということで、入っているというふうに思っております。
○山崎力君 ちょっと確認なんですが、そうすると、ダイオキシンは生殖作用に影響する物質であるというふうに認定されていると考えてよろしいわけですか。
○説明員(廣瀬省君) 具体的に最近その報告が出てきている可能性があるということになっておりまして、今回も学者の議論の中ではその辺を含めてダイオキシンをどう見ようかということが大きなテーマになってきているというふうに聞いております。
○山崎力君 というお答えなんですが、我々の意識だと、やはりダイオキシンというと強烈な発がん性物質だというふうに意識しているわけで、その辺のところがちょっとあいまいもことして現状受けとめられているというふうに思うわけです。
  なぜこのようなことを質問申し上げたかといいますと、今私どもの聞いている範囲においては、環境庁が専門家に任せての信頼しての作業でございますけれども、環境ホルモンとして疑わしい物質を六十七種類選んだ。今のお話でいくと、古来からの物質、毒も含めてですが、一種の危険物と言っていいと思うんですが、その危険物としてわかっているもの、それが今回、そういうふうに認定はしているんだけれども、砒素でも何でもいいです、それが別の作用としていわゆる環境ホルモンかどうかという検討をしているかどうかという問題がございます。
  それからもう一つ、危険物か危険物でないかもわからなかったものが今度環境ホルモンだというのも出てくるでしょう。それから、危険物ではないと安全性を確認されていたような物質であっても事生殖に関するホルモンの撹乱作用があるものもあるであろう、こういうふうにいろいろ考えられるわけです。
  そうすると、常識的に見て、これは膨大な数の化学物質をというか、化学物質でない自然界に存在する物質も含めて検討しなくちゃいけない。そうすると、ほかの国でもいろいろやっていると思いますけれども、私どもの聞いた話では、WHOの会場で新しいTDIが設定されたそうでございます。その辺、WHOと加盟国がどういう話し合い、議論の中で新しいこういったTDIを導いたのか、その経緯。
  今私は議論を広げちゃったわけですけれども、そういったものも含めて、その中で今回のこういった問題がどのような位置づけになっているのかという環境庁なりの判断をお聞かせ願いたいと思います。

○説明員(廣瀬省君) 先生のおっしゃるとおり、まさしく広がってきております。
  それで、アメリカの動きを考えれば具体的に御説明できるかと思うんですが、そういう広がりがあるがために標準的手法をどうしても開発しなきゃいけない。それから、アメリカが八月に取りまとめて一つの手法をOECDに提出したい、考え方を出したい、こう言っているわけですが、それができれば、約一万五千種類の化学物質をその手法で洗いたい、こう申しておるということは、先生のおっしゃっているとおりの世界に入ってきていると。
  そのために日本としては早急に、補正でもお願いしておるわけですが、その手法開発に、OECDにも協力して第一線の部分に早く入りたい、そして世界的貢献に寄与してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○山崎力君 まさにもう前途遼遠な世界に我々は踏み山さにゃいかぬということで、なお悪いことに、一つの種類であったらよかったのが、いわゆる複合汚染その他言われましたけれども、そういったかけ合わせの中で我々生きているわけですから、そのことを考えるととんでもない作業をこれからせにゃいかぬだろう。
  そういった点で、役所の立場からすればその体制をどうとるか、予算づけをどうするか、それを国民にどう理解してもらうかという作業があろうかと思うんですが、現状においてはまだまだその辺のところがお互い不十分だということは御認識のとおりでございます。
  今までの経験もございますので、その辺のところを含めまして、アメリカ、欧米の進歩した研究とどういうふうに連絡をとりながら、あるいは専門家の交流とか定期的な会議とか、そういうふうな専門官をそろそろ日本でも考えた方がいいんじゃないかというような気がしておるんですが、その辺についての将来的な環境庁の取り組み方の方針について、大臣から御所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(大木浩君) 御質問は恐らく行政官庁としての環境庁がこれから外交を含めてどういうふうにして環境ホルモン問題ないしはダイオキシンの問題、ダイオキシンも先ほどからの話で環境ホルモンの中に入るということですから、そういった問題に対処するかということでございます。
  例えば、まずは今の省庁の中の縦割り行政をできるだけひとつすっきりさせていただきまして、いずれ環境省というものもおつくりいただくということでございますから、それはその中でひとつきっちりとやりたいということ。私も昨年九月から環境庁長官をやらせていただきまして、まさしく縦割り行政というのは大変だなということを痛感しております。それからもう一つは、横割り行政というのか、国と都道府県とまた市町村とか、そこら辺のつながりというのも非常にまだすっきりしていないということですから、そういったものをきっちりさせていただく。
  それから、国際的にも、よその国からもいろいろと情報ももらう、また意見も交換するという体制を強化しなきゃいかぬと思うわけです。これについてはいろいろな考え方があるわけでございまして、例えば大使館に環境アタッシェというようなものを配置するのがいいのか、これまたなかなか難しいわけでありまして、大使館の人員というのは館全体としてどういう仕事をするか、こういうことになりますから、一人環境アタッシェとして出しても、環境だけやっていればいいということにもならない。もちろん主要な場所には、いろいろな国際会議があるようなところには環境アタッシェをこれから強化して出していただくということが一つの手だと思いますし、あるいはむしろいろいろな会合があるときには東京からも専門官を派遣して会合をする、その辺いろいろと組み合わせて、全体として国際的にも環境問題についての日本としての知識、経験というものがさらに強化されるように努力をしたいと考えております。
○山崎力君 今長官からの御答弁の中にもあったんですが、きょう厚生大臣おいでになっていれば一番そのところもお聞きしたかったわけです。役所の代表の方が来られているので、その点、厚生省の方にお伺いしたいんですが、要するにこの環境ホルモン問題、ダイオキシン、今環境ホルモンだということでやりましたけれども、どこからどこまでが環境庁の職掌で、どこからが厚生省の職掌なのかということの話し合いというのはどういうふうになっているのかということを知りたいわけです。両大臣そろっていればあれですけれども、どちらからでも結構ですから、その辺、省として私どものこの問題に対する役割はここまで、こうだと思っているということをお聞かせ願いたいと思います。どちらからでも結構です。
○国務大臣(大木浩君) 厚生大臣がおいでになりませんけれども、今、省庁再編成ということで法案を出して議論していただいておるわけですが、その中で非常にはっきりしておりますのは、廃棄物の処理、これはもう基本的には環境庁の方でやらせていただくということになっておりますが、こういう例えば環境ホルモンについてどうするかということについては必ずしも明確には細かくは書いてございません。これは一つは今度の新しい省の設置法の中にどこまで書き込むかということでございます。
  いずれにしても、どういうふうに書き込むにしろ、現実にはお互いに協力しなきゃならぬ部分というのは必ず残ると思いますので、その辺につきましては、環境ホルモン問題、非常にこれだけ関心を集めている事項でございますから、きちっとした体制ができるようにひとつ厚生省、あるいはまたほかの省もあります、環境問題ということにつきましてはいろいろな産業界との関連というのもあるわけでございますから、そういった面では通産省初めとして、そちらの方の関係の各省とも協力しなきゃいかぬということでございます。
  いずれにいたしましても、今御審議いただいております新しい省庁再編成の法案の中にも、お互いに縦割りの弊をなくするために意見はきちっと言い合うという精神は書いてございますので、そういう方向に従ってひとつ努力を続けたいと思っております。
○政府委員(小野昭雄君) 先ほど来環境庁の方から御答弁がありますように、非常に幅広い化学物質につきましてそれを一つ一つチェックをしていくわけでございますが、それが最終的には人間の体にどういう経路で入ってくるかということが大きな問題でございます。
  例えば、食べ物で入ってくる、あるいは水道水から入ってくるというふうなことになりますと、食品衛生法あるいは水道法を所管しております厚生省が対応することになると思いますし、大気を介して入ってくるということになれば、現在の関係では環境庁がお取り組みになるということになるわけでございますが、いずれにいたしましても、現在緒についたばかりでございまして、どういう物質がどういう経路でどう入ってくるかと、そこのところの解明を一歩一歩しなければなりませんので、その解明を待ちながら、各省庁の持っている能力を最大限に発揮するような形で仕分けをしていくということになろうかと思います。
○山崎力君 その考え方はそれとしまして、というのは、ちょっと私それだけでは不満なのは、今問題となっているのは、どの物質が本当に危ないのかということを、これは人間の体のこと、医学的な部分もあることですけれども、今までの医学で対応できるわけでもないわけで、そうすると、例えばダイオキシンがこういう人体の生殖作用に影響するよと、よってもって、これはごくごく微量ならばともかくも、微量であってもこれはストップさせにゃいかぬということをそれぞれ決めていくのをどっちが本当にやるんですか。
  医学的で言えば厚生省の方の分担かもしれないし、環境的に言えば環境からの物質のあれからいけば環境庁の方になるし、これは経路の問題じゃなくて、人間の体、しかも我々人類存続の基盤である生殖作用に対して大きな影響があるということに対して、国、政府としてその物質が悪いものなのか大丈夫なものなのかを決めることが先決であるはずなんです。それをどっちがイニシアチブをとってやるんですかということを私は質問しているわけでございます。

○国務大臣(大木浩君) 厚生省のお立場からのまた御説明があると思いますが、正直申し上げまして、実は環境ホルモン全般につきましては、今なかなかどういう影響があるんだということが言い切れないと思います。
  ダイオキシンにつきましては、先ほど福本委員でございましたか、相当人体に対する影響があるということははっきりしておるんじゃないかというお話がございました。確かに、ほかの環境ホルモン一般に比べますと人体に対する影響があるらしいというかなり進んだいろいろな知見が得られておりますけれども、環境ホルモン全体となりますと、要するに人体に対する影響ということになればこれはやっぱり厚生省が相当大幅に権限というか責任を持って御判断いただかなきゃいかぬわけでございますし、いや環境としてちょっと問題があるんだということになると今の体制では環境庁ということになりますので、どちらがというのは、それぞれの物質についての知見に基づいて、これはとりあえず環境問題として取り扱うか、あるいは人体に対する健康の問題として取り扱うかというところでやっぱり分かれが出てくるんではないかというふうに私は感じております。
○山崎力君 行政の立場からするとそうなるのかなと思うんですが、私は、次の時点での発想だと思うんです。
  例えば、ダイオキシンならダイオキシンが人体に対して影響がある、特に生殖作用について影響がある、危険性があるということの判断をした後、それじゃこのダイオキシン対策をどういうふうにしたらいいかというときにおいて、各省庁がそれぞれの役割を担う。これはそれぞれの得意な分野でやればいいわけですけれども、これが我々人類にとって危ないものだという、調査をして研究をしてそれを確定するのはどこなんだ。これが厚生省なのか環境庁なのかということをさっきから私は言っているわけで、それに対する御答弁がなかなかいただけていないんじゃないかと思うんですが、その辺いかがでしょうか。

○国務大臣(大木浩君) 今いろいろとまた予算措置もしていただいておりますが、環境ホルモンにつきましては、調査研究については環境庁が主としてやらせていただくというふうに私は理解をしております。その結果、人体に対するどういう影響があるかということが出てくれば、そこに当然に今度は厚生省が中心になっておやりにならなければならない仕事も出てくるんではないか、そのように理解をしております。
○山崎力君 厚生大臣がいれば別のあれが出てきたかもしれませんが、きょうはその辺にいたします。
  先ほどからダイオキシンの問題その他出ていますが、いろいろ細かいデータ、私はどこまで本当なのかわかりません。ただ、母乳に含まれているダイオキシンの問題がある、あるいは、母乳だけでなくて人工乳であるとかあるいは哺乳瓶自体であるとか、そういったものでダイオキシンのみならず環境ホルモン的なものが経口的に乳幼児に入るんじゃないか、あるいは、血液を通して、一番問題なのは妊娠初期の母胎を通じて胎児に影響するものがあるんじゃないかというふうなことを一連の前の委員が質問されてきたわけです。
  私はそこのところの是非について、厚生省の今のスタンスについて一々申し上げることはこれはなかなか難しい点があろうと思うんです。国の政策として、こういう将来に禍根を残すようなことをあらかじめそれじゃ前倒しでやっていいかといえばなかなか難しいところもあろうと思うんです。
  その場合、一つの考え方としては、予防接種によるいろいろな弊害がございました。予防接種によって脳炎になって寝たきりになったような方もいらっしゃる。そのときの大義名分として、これをやらなければ大勢の人が感染症になって被害が出るのだけれども予防接種をすることによってそれが未然に防がれた。しかし残念ながら、体質的なことやいろいろな問題があって、万人に一人か十万人に一人かでそういった人が出るかもしれない。
  そのときに私が感じているのは、これは過失があったからそういった人たちに補償するんではなくて、人間社会の予防措置のための不可避的な犠牲者に対してほかの人間が補償ないし面倒を見るという制度にそろそろ切りかえてもいいんじゃないか。そういう考え方でなければ、この辺でいいと思ってやっていたんだけれども後になってみたらもうちょっと厳しくしていなきゃだめでした、ただ我々はあの当時の技術ではここまで補償する必要はないと思っていたんだけれどもという無過失の形で責任を行政が回避するという姿勢は、こういった問題からしますともうそろそろできにくくなってきているんじゃないかという気が私自身しております。
  その点について厚生省と環境庁のお考えをいただければと思います。時間的にもうそろそろ最後になると思いますので、ほかの質問は割愛させていただいて、答弁の方、よろしくお願いいたします。

○政府委員(小野昭雄君) 突然の御質問でございまして、大変難しい問題であろうと思います。
  ただ、確かにいわゆる不確実性の増している社会でありますし、予見できないことがなかなか多くなってきている。またそれを予防するといいましても、その手法がなかなか難しくなっている時代に入りつつあるというふうに私どもとしては認識をいたしております。
  そういう時代の中において、今先生が御提起のございました問題というのは、単に健康問題だけではなくて、ほかにもいろいろ本人の過失に帰せられないで社会全体の、社会の活動の中で不可避的に発生したものをどう考えるかというのは大変大きなテーマでございます。私ども、我が省だけではございませんが、そういう大きな枠の中でいろいろ議論されるならば、その一環としてこういった問題も入る可能性はあるというふうに考えております。
○国務大臣(大木浩君) ダイオキシンと環境ホルモン全般について考えてみますと、今我々が少なくとも考え得ることについては多少差があるんじゃないか。つまり、ダイオキシンにつきましては、既に例えばWHOでもいろいろと具体的な数値というのを出してここら辺が危ないよということを言っておりますから、それに合わせて私どももそういったことを進めるというのが一つの方法だと思います。環境ホルモン一般ということになりますと、何かいろんな影響があるらしいということが動物実験では出ておりますけれども、人となりますとなかなか十分な知見が得られませんので、仮に予防といいましてもどういう予防があるのか、そこからしてまだまだなかなかはっきりした十分な知識がないということですから、とりあえずはできるだけ合理的な試験というかいろいろな方法を開発いたしまして、そしてできるだけ早くある程度の知識を得た上で次はまた予防措置、こういうことになるんではないかと考えております。
(後略)