質問「『日米首脳会談の内容について』他

(平成10年9月25日参議院予算委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(倉田寛之君) 次に、山崎力君の質疑を行います。山崎力君。
○山崎力君 改革クラブの山崎でございます。
  最後になりますが、あと十分ほどお疲れのところをおつき合い願いたいと思います。
  今回のアメリカにおいてのいろいろなクリントン米大統領との会議の中で、金融問題に関して一点気がついたことがありました。私の観点からすれば、きょうもその問題いろいろ言われておりますけれども、非常に国民にとってわかりづらい、特に私のように金融問題に不得手な人間にとってはわかりづらい表現でございました。
  それは何かといえば、先ほど来問題になっている、存続可能な金融機関を適切な条件のもと十分な額の公的資金によって支援することが重要であると、何を言っているんだかわからないというのが私であります。例えて言えば、十分な額の公的支援を受けて存続不可能な金融機関があり得るのか。もう一つ具体的に言えば、合併を予定して合併しなければ存続できないと言われている長銀が存続可能な金融機関だと言えるのかといえば、もう答えをいただかなくても結果はわかっているわけでございまして、ポイントはやはり適切な条件のもとということであろうと思うわけでございます。
  ところが、そのところが余り国民に伝わってこないというのが私の率直な印象なんですが、総理、何かその辺についての御感想等がありましたら、まずお伺いしたいと思うわけでございます。

○国務大臣(小渕恵三君) 山崎委員御指摘のように、あるいはわかりにくい点もあったかと思います。と申し上げますのは、米国も現在の日本の金融システムにつきましていろんな意味で危惧を有しておるということでございますので、先ほどお読みいただいたような趣旨の発言がございました。
  一方、私どもといたしましては、現在党首会談で決められましたこのシステムに対しての対応、すなわち金融の関係の法律案につきまして党首会談までいたしましたが、その後の話し合いが継続しておる段階でございますので、私としてもその状態について具体的なお話ができにくい状況でございました。包括的なシステムとしてぜひ守らなければならない、こういうことを申し上げておりました。
  そういった意味で、現在国会で御審議をいたしております過程でございますので、このような姿に相なりましたということを相手方に申し上げることができにくい状況でございましたので、委員の御指摘はある意味では、そういうお考えを持つ方も多いということは残念でありますが、今の段階、やむを得なかったと思っております。
○山崎力君 そういったことであろうとは思うんですが、私どもが別の見方からしますと、かなり以前と比べれば、お互い経済の問題、これはグローバルになってきたからしようがないのかもしれませんが、以前の価値観からすれば内政干渉的なことを言い合っているなという気がございます。そういった中で、総理も一国の代表者として、その辺言われっ放しでない、今の立場からいうとなかなか難しい、経済的にあると思いますが、その辺のことを国民に対してのメッセージとして今後も伝えていただきたいというふうに御期待申し上げます。
  時間が足りませんので、早口で申しわけございません。
  次に、防衛庁の問題にいきたいと思うんですが、私が問題としたいのは、今回の一連の背任事件に関して言語道断であるということは私自身としてこれ以上、前の委員の質問等ございましたのでつけ加える気はございません。
  ただ、この問題を全般的に考えて、国家の、政府の一種の民事行為といいますか、調達行為、物を買う行為の中を全般的に見た場合に、民事契約、そういったものを結んだ際の不当利得が生じたということが今回一般論からいけば言えるのではないかと思うわけでございます。その不当利得、一つは過失あるいは計算ミス、そういった単純なところで生じることも当然ございますが、今回の場合は明らかに故意、水増し請求という故意によって行われたと私自身は認識しておるわけでございます。
  そういった場合、このことが一種の詐欺に当たるのかどうか、それとも商取引上、相手が気づかなければもうけてやれということが許される範囲なのかどうか。そこのところで、今回背任の前に、その請求したところに詐欺行為があったのではないかという気持ちと、それからもう一点、法務省の方にお伺いしたいわけですけれども、それをわかって見過ごした場合、今回のようにまけてやった、返すべき金をまけてやったという背任ではなくて、全額いろいろな貸し借りがあった、あるいは天下りの問題が頭にあったかもしれませんが、まあいいやといった場合、背任が生じるのかどうか、背任罪の対象になるのかどうか、その辺のところを教えていただければと思うわけでございます。

○政府委員(松尾邦弘君) 具体的な事実あるいは想定を交えた事実について、それが何罪に該当するのかということについてはなかなかお答えしにくいところでございます。
  今捜査中の防衛庁関連の事件でございますが、本日までに五名を背任罪によって起訴しているということでございます。そこでどういう事実をどうとらえているのかということにつきましては、公訴事実に任務違背行為あるいはその違背行為の具体的内容の摘示があるわけでございます。もし必要であれば今ここで申し述べますが、以上でございます。
○山崎力君 お立場はわかるのですが、このことが背任行為に当たる、あるいは詐欺行為に当たるということを明確にしなければ、刑事政策上またうやむやになってしまうというふうに私は思うんです。
  そういった点で、刑事訴訟法の二百三十九条二項の問題もありますけれども、この辺のところをはっきりさせないと、さきの委員会での私の質問もあったんですが、要するに公務員がそういった一般企業との間で契約をするときに、その額が適正であったかどうかの判断、相手方に不当利得が生じるようなことがあったことを判断するのは公務員として当然やるべき義務ではありますが、そのときに、今回のような違背行為が起きた。それに対して、政府としてどういうふうに対応するんだというルールがなければ、今までなかったとしか思えない。そのルールがなければ、このときは刑事で起訴しなさい、このときは民事でやりなさいと、ある程度共通したルールをつくらなければ、これからそのときそのときの、今の法務省の言い方ですと、事案ごとに検討しますと。これは立場からいうとそうかもしれません。
  しかし、政府全体、公務員制度全体、そういった中で、公務員がこういった契約上のいろいろな問題、相手方に不当利得を生じさせるような問題になったときにどうするんだということのある程度の検討がなされなければいけないし、もっと広く言えば、今回の防衛庁の問題を奇貨としてその辺のところを公務員制度の中でどうとらえていかなければいけないかという検討をしていただきたいというのが私の希望でございますけれども、その辺のところを総理並びに総務庁長官にお伺いしたいと思うわけでございます。

○国務大臣(太田誠一君) 今回の特に行政改革、中央省庁等の再編の議論の中で一貫して一番柱になっております考え方は、事前の調整から事後のチェック型へと行政を転換していくということでございます。
  そこで、例えて言えば、独立行政法人のようなものをつくって、そこは独立して仕事をするんだけれども、事後的にそれの政策評価をするとか、あるいは企業会計原則にのっとってディスクロージャーをするというようなことで、それは例えば各省に設けられる評価委員会がそれを評価するというような形で事後的にチェックをするという考え方に変わってきております。
  ただし、では残されたそれぞれの省庁の独立行政法人ではない部門がどうなるのかというと、そこは改めて今のような考え方をもっと徹底して公務員の世界でもって定着をさせなければいけないという仕事はまだたくさん残っているというふうに思っております。
○山崎力君 ちょっと私の真意が伝わらない御答弁だったろうと思います。
  要するに私の言いたいのは、今回のような事案が生じたときに、刑事告発しなさいというふうにある程度のガイドラインを示してやらなければいけないのじゃないか。あるいは、ここは自分たちの裁量権の中で処理しなさい、民事的に金を取り返しなさいと。そこのところで今回防衛庁の背任の問題が起きたわけです。あれを詐欺罪で訴えることができなかったのか、防衛庁が。その辺の判断をそれぞれの担当の公務員に任せておいていいのかどうかということが私がお伺いしている点でございます。
  何かその辺について御答弁があればお伺いしておきたいと思います。

○国務大臣(太田誠一君) 大変高度な御質問でございますので的確な答えはできないわけでございますが、従来は、それはいわゆる検察側の判断に任せておって、それに対して、ルールを定めて、委員が今おっしゃるように、その場合にはこうだという対応をするルールがあれば、それはいいことだというふうに私も思います。
○山崎力君 時間ですので、終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で山崎力君の質疑は終了いたしました。
(後略)